東出昌大『あなそれ』怪演で話題の「冬彦さん」って誰?

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波瑠東出昌大が夫婦役を演じていることで話題の新ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系列、毎週火曜22:00~)。4月18日に第1話が放送されたばかりだが、ここに来て今、「冬彦さん」というワードがネット上を賑わせている。

本作は、二組の夫婦のマリッジライフと四者四様に揺れる予測不能な恋愛模様を描いたラブストーリー。主人公・渡辺美都(波瑠)、美都を一途に愛し続ける夫・渡辺涼太(東出)、もう一組の夫婦で聡明な妻・有島麗華(仲里依紗)、麗華の夫で美都の初恋相手・有島光軌(鈴木伸之)といった既婚者同士が恋愛をし、いびつな四角関係を展開していく。

第1話では美都と涼太の幸せな結婚生活にだんだんとひびが入る様子が描かれ、涼太の美都に対する執着が「ぞっとした」「愛情が重い」などとネット上を騒がせた。

そんな中、Twitter上ではドラマの感想と共に、涼太に対し「冬彦さん加減が良い」「第2の冬彦さん」「まさか東出くんと冬彦がリンクする日がくるなんて」などという言葉が続々登場。同時に、「#あなたのことはそれほど のTLに出てくる冬彦さんって誰なの…」「冬彦さん? 何のドラマ?」「冬彦よく知らない」と、「冬彦さん」というキーワードを訝しむ声も見られた。

今回ネット上を賑わせた「冬彦さん」とは、1992年に放送された連続ドラマ『ずっとあなたが好きだった』(TBS)で、佐野史郎が演じたマザコン夫・桂田冬彦のこと。主人公の美和(賀来千香子)と見合い結婚をし、激しい愛情を注ぐ中、美和が元恋人の大岩(布施博)と再会したことに強く嫉妬。夜中に下唇を突き出して「ん~」と唸ったり、部屋に置いてある木馬に乗ったり、実母が指に怪我をするとチューチューとその指を吸ったりするという奇行が一躍話題を呼んだ。当初は美和と大岩のラブストーリーで、冬彦はあくまで脇役だったそうだが、そのエキセントリックさが受けたことで出演回数が増加。第1話の平均視聴率は13.0%だったが、最終話(第13話)では34.1%と2倍以上に。「冬彦さん現象」なるブームも起き、ついには「冬彦さん」が同年の新語・流行語大賞の流行語部門・金賞まで受賞することとなった。

今回は、東出のストーカーさながらの怪演にこの冬彦さんを連想した人が多数いたようだ。ただ、25年も前の作品ということで、ブームをリアルタイムで知っているのは主に30代以上の世代。馴染みがない10代や20代が「誰?」という疑問を呈したものだと思われる。それでも「冬彦さん…うっすらとしか記憶にない」「冬彦ってどっかで聞いたことある」などと、詳細は知らなくとも名前だけは記憶に刻み込まれているようで、相当インパクトが強かったことが覗える。

このほか、当時のブームを知っている人々の「検索で“冬彦さん”って入力すると“冬彦さん 誰”って候補に出る。若い人は冬彦さん知らないよな…」「冬彦さんを知らないとは」「今の学生さんとか知らないの…そりゃそうか」「冬彦さんを知らない世代がウチの会社にいる」といった声も。四半世紀という時の流れを切なく思う人々も多くいるようだ。

東出の新境地とも言える今回の役どころ。料理好きで穏やか、そして愛妻家といういわゆる完璧な夫という顔も持つが、美都のスマホを覗き見したり、LINEを大量送信したり、「幸せだよね?」と何度も確認したりするというネチネチした側面も持っている。深く愛しているがゆえに、美都に男の影を感じてからはだんだんと過干渉になっていく涼太。徐々に精神が崩壊し、激しい愛が狂気へと変貌するそうだが、涼太は冬彦を超えるブームを生み出すことはできるのだろうか。

(視聴率はビデオリサーチ調べ)

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