がんで余命宣告された京友禅職人、痛みに耐えながらカンボジアで絹織物文化を再興

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4月9日(日)23時放送の『情熱大陸』(MBS/TBS系ネット)に、テキスタイル・デザイナーの森本喜久男が出演する。

アンコール遺跡群の観光客で賑わうカンボジア・シェムリアップ近郊に、世界でも稀な“織物の村”がある。村の豊かな森で得られる天然染料を使い、カンボジアの伝統的な織物技術と高い芸術性が織り込まれた絹織物は世界最高級と評されているが、実は約14年前、荒地だったこの場所を開墾し名人を招いて養蚕から染め、織りまでの一連を村人の手作業で行えるようにしたのが、京都の友禅職人だった森本なのだ。

30代始め、カンボジアの難民キャンプで出会った1枚の伝統的な絹織物に圧倒された森本は、長い内戦で途絶えかけていたカンボジアの伝統工芸品、クメールシルクの技術を復活させようと現地に移住。日本人でありながらその半生をかけて絹織物文化を再興させた。

その功績が“奇跡”と、カンボジア国内外から賞賛を浴びている森本だが、何とがんで余命5年という宣告を受けており、今年がその5年目になる。番組では、痛みに耐えながらもこの地で自分が最後に成し遂げることは何かを模索し続ける森本に密着。

折りしも、村では年に1度の「蚕まつり」の季節。死ぬことで美しい糸を生み出す蚕を供養したいと森本が始めたこの祭りでは、その年の布作りの成果が発表され、村の繁栄を祈る。「もしかするとこれが自らの集大成になるかもしれない」と思う森本は、自分がいなくなった後も変わらずこの村が、そして美しい織物作りの技術が継承されことを願いある行動に出た。果たして、どんな祭りになるのか。森本と村人たちとの濃密な時間をカメラが追う。

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