マツコ「日本のクリスマス文化は無くなった」

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日常に潜む様々な“知らない世界”に精通したゲストが登場し、マツコ・デラックスにその魅力をプレゼンする番組『マツコの知らない世界』(TBS系列、毎週火曜20:57~)。12月13日は、音楽ライターの冨田明宏さんが「クリスマスソングの世界」を案内した。

■「家族」から「恋人」へ! 昭和のクリスマスソング
クリスマスソングは「時代の映し鏡」と語る冨田さん。その時代の世相、社会背景が反映されているとか。

・冨田さんが選んだ昭和のクリスマスソング
1952年「ひとりぽっちのクリスマス」美空ひばり
1966年「ぼくのクリスマス」加山雄三
1977年「クリスマス音頭」大瀧詠一
1979年「安奈」甲斐バンド
1980年「恋人がサンタクロース」松任谷由実
1983年「クリスマス・イブ」山下達郎
1984年「ラスト・クリスマス」ワム!
1984年「チェッカーズのX'mas Song」チェッカーズ
1987年「Pearl-White Eve」松田聖子

このセレクトを見たマツコは「私たちが本当に(クリスマスの)意味を知ることはない。だから、どう聴いたらいいか分からないのよ」と困り顔。クリスマスソングとの向き合い方の難しさを語った。

戦後から1970年代までは「クリスマス=家族や仲間で祝うもの」。そして、80年代に入ってバブル景気が到来すると「クリスマス=恋人と過ごすもの」に変化した。松任谷由実の「恋人がサンタクロース」は、スキーブームの火付け役に。山下達郎の「クリスマス・イブ」は発売から5年後の1988年、JR東海のCMに使われて大ヒット。遠距離恋愛ブームを巻き起こした。

■「別れ」「寂しさ」を歌う平成のクリスマスソング
1990年「サイレント・イヴ」辛島美登里
1990年「雪のクリスマス」DREAMS COME TRUE
1991年「遠い街のどこかで」中山美穂
1992年「クリスマスキャロルの頃には」稲垣潤一
1992年「いつかのメリークリスマス」B'z
1993年「クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)」サザンオールスターズ
1994年「All Want For Christmas Is You」マライア・キャリー
1996年「DEAR…again」広瀬香美
1998年「シンデレラ・クリスマス」
2001年「白い恋人達」桑田佳祐
2004年「メリクリ」BoA
2004年「チキンライス」浜田雅功と槇原敬之
2005年「WISH」嵐
2008年「LAST CHRISTMAS」EXILE
2015年「クリスマスソング」back number

この冨田さんセレクトに対して、マツコ「あれが入ってないわよね」と横ヤリ。マツコの“あれ”とは、1971年の「HAPPY XMAS」(ジョン・レノン&オノ・ヨーコ)のこと。発売から40年以上も世界中で愛されている名曲だが、マツコは「全然ハッピーじゃないのよ(笑)。オノ・ヨーコさんの狂気を感じるの」と、表現はストレートではないものの、どこか気になる曲として紹介した。

平成は“バブル疲れ”がもたらした変化によって「別れ」や「寂しさ」を歌うクリスマスソングが増加。稲垣潤一の「クリスマスキャロルの頃には」は、累計売上140.6万枚を記録。辛島美登里の「サイレント・イヴ」も内館牧子脚本の連続ドラマ『クリスマス・イヴ』の主題歌として大ヒットした。番組では、1990年の10月期に放送されたこのドラマの映像を大公開。クリスマスに対して強い思いを抱く女性たちの物語を振り返った。

■10~50代 計500人に聞いた「好きなクリスマスソングは何ですか?」
冨田さんが、独自に調べたランキング(各世代100人ずつにアンケート)を披露。

1位「クリスマス・イブ」山下達郎
2位「恋人がサンタクロース」松任谷由実
3位「ラスト・クリスマス」ワム!
4位「All Want For Christmas Is You」マライア・キャリー
5位「クリスマスキャロルの頃には」稲垣潤一
6位「いつかのメリークリスマス」B'z
7位「サイレント・イヴ」辛島美登里
8位「白い恋人達」桑田佳祐
9位「WISH」嵐
10位「クリスマスソング」back number

1~7位がバブル前後の曲に。この結果に対してマツコは「日本のクリスマスってバブルなのよね。だから何も残ってないのよ。バブル崩壊と共に日本のクリスマス文化は無くなった」と分析した。

スタジオでは、冨田さんからマツコへのクリスマスプレゼントということで生ライブが展開され、辛島美登里は「サイレント・イヴ」を、稲垣潤一が「クリスマスキャロルの頃には」を熱唱。二人の変わらぬ歌声にマツコも感動していた。


この日は他に、家電ライターの藤山哲人さんが、進化を続ける「電源タップの世界」について熱く語った。

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