仲村トオル、映画『64-ロクヨン-前編/後編』スピンオフドラマで“事件に関わらない”警務役を熱演

2016年04月15日 06:00

――作品のロケで使われた県警は、元々は実際に使 われていた市役所だったそ
うですが、昭和の雰囲気が漂う、威厳のある建物だったとか?

建物から醸し出される臨場感は、やはり近寄りがたいものがありました。僕が最初にこの現場に行った日は、広報室対記者クラブの激しいバトルシーンの撮影が行われていたので、バトルには関わっていない二渡としては、その〝熱い空気〟も近寄りがたかったです。

――ドラマの舞台となっている平成13年(2001年)は、昔過ぎず現代過ぎずといった時代ですが、現代の刑事ドラマとの違いは感じましたか?

昔の刑事ドラマだと、連絡する時は無線、写真を撮る時は鑑識係、メモする時はメモ帳など、いろいろなアイテムを使って捜査をしていましたよね。最近の刑事ドラマの現場で思うのは、今はいろいろなことがスマートフォンやパソコンひとつでできてしまうなということです。調べものをしたい時に誰かに頼んだり、自分で記録帳をめくったりするというシーンがほとんどないですよね。今回は、建物や衣装、小道具のパソコンなども少しだけ古いですから、そういう面で当時の雰囲気は感じられるんじゃないかと思います。ただ、2001年って、現在20歳の方々にとっては大昔かもしれないですが、僕にとってはそんなに昔ではないんです(笑)。そういえば二十歳の時、大先輩の中条静夫さんに「僕は昭和40年生まれです」と言ったら、「何だ、昨日じゃねえか」と言われたことがありますが、そういうものなのかもしれません。

――映画のプロローグは昭和64年から始まっていますが、仲村さんにとって昭和はどんな時代だったと思いますか?

僕は昭和40年生まれなのですが、僕が生まれる20年前はちょうど終戦なんです。終戦の20年後に僕が生まれ、また20年後に二十歳になり、その後さらに30年経って現在に至るわけです。ありきたりな言い方ですが、街の風景や物質的なものが変わり、激動の時代だったと思います。今後また長い年月が経って振り返った時、「日本にとって昭和は特別な時代だった」と言われるんじゃないでしょうか。でも、人の心は意外に変わっていないんじゃないかとも感じています。

――昭和ならではのものに情緒を感じることはありますか?

スマートフォンやインターネットは、多くの人がもっと世の中を良くしたいという思いから作ったものだと思うので、あまり「昔は良かったな」という思うことはないのですが、強いて言うなら、僕が25年以上乗っている車は1970年代の設計で、日本で言ったら昭和の時代のものです。車や建築に関しては昭和っぽいデザインの方が好きなので、そういう部分は昔の方が良かったと思います。

――4月25日(月)に放送されるドラマ『刑事の勲章』では、登場人物のちょっとした隠し事が大事になってしまいますが、仲村さんが最近してしまった嘘や隠し事は何ですか?

隠し事はあるのですが、自分の中で時効を迎えていないのでまだ言いにくくて……(笑)。ただ、正直であることが常に正しいわけではないと思っています。知っていても「知らない」と言った方が、相手がホッとする時もあるだろうし。そういうことは世の中にはたくさんあると思います。一方で、神様のような存在が人間の心の内側まで見透かしていて、嘘がバレる時や罰が当たる時が来るんじゃないかと思うこともあります。でも、僕は臆病なので、バレたら困るとか罰が当たるかもしれないといった嘘はついていないはず。自分の子どもたちには、よく「得をするための嘘、人を騙すための嘘はつくな」と言っています。僕は俳優という職業なだけに、「嘘をつくな」とはなかなか言えないところもありますが、これは人を楽しませるための嘘だと思っているので見逃して下さい(笑)。

――最後に、ドラマ2本と映画の見どころをお願いします。

ドラマの撮影中は、「ただ良い作品になるように」「監督が目指す場所に近付けるように」という気持ちだけで臨んでいましたが、結果としては、TBSの新しい枠が良いスタートを切れるような作品になったと思いますし、同時に、映画版に繋がる露払いとして力のある作品になったと思います。映画の方は、前編と後編に分けられるくらい物語が長いし、密度も濃くて重みがある作品です。力のある先輩、同世代、そして若手といったさまざまな年代の俳優陣の、見る者の心を良い意味でねじ伏せる“腕力の強さ”があります。ドラマを見れば、二渡の立ち位置がより明確になると思うので、ぜひそちらで予習して映画を観て頂けると嬉しいです。

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