『酒場放浪記』吉田類、昔住んでいた阿佐ヶ谷の南で変わらぬ人情に触れる

公開: 更新:

酒場詩人・吉田類が、酒場という聖地へ酒を求め、肴を求めさまよう番組『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS、毎週月曜21:00)。2月1日の放送回では、東京・南阿佐ヶ谷にある海鮮料理店「つきのや」を訪れた。

杉並区役所近くにある「つきのや」は、開店30分でほぼ満席となる人気店だ。店に入ると、四角いフロアにカウンターとパイプテーブル席が。そして壁には、目移りしてしまうほど豊富な品書きが貼られている。

板前のマスター、揚げ物担当の職人さん、利酒師のお姉さんの三人組が切り盛り。海鮮料理が中心だが、日替わりで出される大皿の惣菜も充実している。酒の特徴と料理の相性を指南してもらいながら「次は何にしようかな」と思案するのも楽しい。新島から取り寄せるくさやも種類豊富。興味があれば、試してみるのもいいかもしれない。

吉田はまず、ビールで乾杯。カウンターに並べられた大皿はがんもどき、ブリ大根、チャーシュー、こんにゃくとタケノコのきんぴら等。その中から、新じゃがの煮っころがしを注文した。さらに、たこぶつを頼み、山形の「洌(れつ)純米大吟醸」を合わせる。ひそかな甘みが酒好きにはたまらないと人気がある日本酒だが、吉田も「これはですね、たぶんお米の一番いいところを思いっきり磨いてますね」と唸る。

そして、ホッキ貝殻焼き。シンプルに焼いただけで、貝の汁の旨味だけ。素材の味を楽しむのが、この店の流儀だ。続いて、宮城の酒「萩の鶴 純米生原酒」。ワタごと丸干しにして炙った、もみイカは常連オススメ。極上の組み合わせに、吉田は満面の笑み。

山形の「子宝 トマト酒」という珍しいリキュールも。そこに、この店の名物くさや、その中でも小ぶりな新島産の“だっこ”が登場。「ほくほくと独特なくさやの香りがします。このお酒とは、ちょっとぎこちない男女の出会いのような」と舌も滑らかだ。

かつて阿佐ヶ谷に住んでいた吉田。5年ほど前にできた「つきのや」は初来訪だが、「(新しい店にも)下町のノリが、生きている気がします。流行ると思いますね」と、この周辺にもっと広い店を構えたいと語ったマスターにエールを送っていた。

PICK UP