1月20日（水）に放送される、ムロツヨシ主演の新ドラマ『悪党たちは千里を走る』（TBS系列、毎週水曜23:53～）第1話の撮影が、先日TBS局内にて行われた。

本作は、2010年に第63回日本推理作家協会賞と第23回山本周五郎賞を受賞した作家・貫井徳郎が、2005年に書き下ろした同名小説の実写化。天才犯罪者によって誘拐事件の犯人に仕立て上げられた3人の男女が、その計画を実行すると同時に犯罪者の正体を追っていくストーリーだ。

ムロ演じる主人公・高杉篤郎の職場がテレビ局ということで、撮影場所に選ばれたのはTBSのとあるフロア。普段は、至るところに人気番組のポスターが貼られていたり、グッズが置かれたりしているが、この日はドラマ撮影ということで『子供7人秋物語』『世にも微妙な物語スペシャル』『ふらりほろ酔い無賃乗車の旅』といった、どこかで聞いたことのある（？）ニセ番組のポスターが貼られ、遊び心満載の空間となっていた。

この日撮影されたのは、渾身の企画書を上司・根津（光石研）に盗用されたドラマディレクター・高杉がオフィスで激高、後輩の園部優斗（山崎育三郎）が高杉を必死になだめるという、第1話の冒頭部分。高杉が企画書を根津の机に叩きつけるシーン、怒りのあまりゴミ箱を蹴散らすシーン、そして根津に殴りかかるシーンなどに細かく分けて撮影された。放送で使われるのはほんの数分だが、一つの場面を違う角度から何度も撮影したり、後から吹き替えで音声を被せるために声だけの収録をしたりと、一つの場面にかなりの時間がかけられた。しかし、ムロたちは一切疲れた表情を見せず、時折冗談を飛ばしたりと、ニセ番組のポスターにツッコミを入れたりと、和気藹々としたムードのまま約4時間にわたり撮影が進められた。

また待ち時間には、ムロと山崎が冗談を言い合いながら交流することも。山崎は「ムロさんとの演技は、はじめから良いコンビネーションでした。カメラが回っていない間には、高杉と園部の関係性をより一層深めるため、お話もして。話しながら、“ああ、こんな感じで園部と高杉さんの関係ができていくんだな”と感じましたね。良いキャッチボールができたと思います」と振り返った。

さらに、高杉がゴミ箱を蹴散らすシーンでは、勢いが良すぎてゴミ箱が割れてしまう珍事が発生。「大丈夫ですか!?」とそばにいたスタッフを気遣うほか、同じゴミ箱がもう一つあるかを心配するムロだったが、幸運にもスタッフが同じものを用意していたことを知ると、ホッと胸をなで下ろして笑顔を見せていた。

撮影の合間、ムロは「台本はあくまで“設計図”。作品には、自分なりの提示をしたいんです。なので、台本から思いついたことは怖がらずにやろうという思いで、これまでどんな役もやってきました。今回は主演ですけど、その思いを忘れてはいけないと思って、使われないかもしれないけど、提示だけはさせてもらっています」とコメント。山崎も「ムロさんはアドリブが多く、台本にないことをするのはしょっちゅう（笑）。でも、役になりきっていれば何が来ても受け止められると思うので、常にそうしていたいですね」と語るように、演技の上でも刺激を受けているようだった。