『吉田類の酒場放浪記』東池袋「江戸一」横丁の店なのに「繊細すぎる料理」に感激

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酒場詩人・吉田類が、酒場という聖地へ酒を求め、肴を求めさまよう番組『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS、毎週月曜21:00)。11月9日の放送回では、東京・東池袋にある居酒屋「江戸一」を訪れた。

闇市の雰囲気を残す横丁に、3坪ほどの店舗が並ぶ栄町通り。「江戸一」はカウンター4席と長卓のみと少々手狭だが、それこそが横丁にある飲み屋の証だ。今から約50年前、山形から上京した初代が開業。そして、祭り好きの三代目夫婦が継いで18年が経つ。

築地の料理屋で修行していた店主が腕をふるった料理が盛られた大皿がカウンターに並ぶ。吉田はまず生ビールを注文し、昔から定番のお通しだという、豆腐とタラを堪能。続けて、北海道・旭川の酒、大雪乃蔵をぬる燗で、つぶ貝煮と飯たこ煮に舌鼓。

その後の刺身盛合せは、しまあじ、まぐろ、すみいか、〆さば(炙り)、しゃこわさの彩りが鮮やか。吉田はここで冷酒に移行。「実は大好物でして。岩手の渓流釣り行った山を思い出しますね」と、岩手の月の輪を喉に流し込む。

そんな中、常連客にオススメを聞くと、銀ダラ煮が美味しいとのこと。店主が幼少時に三兄弟で分け合った、おふくろの味だ。月の輪をおかわりしてから、銀ダラに箸を入れた吉田は「うわ。あっさりしてるのに、濃厚なんですね」と目を細めた。

シメは、粋に鯛スープ。瀬戸内産のマダイに出汁をきかせた逸品で、あら煮ではなく、すまし汁になっている。吉田は「磯の中に秘められていた旨味が、そのままここに露わになった感じ」と、しみじみ感動。

「とにかく、お料理がすごかったですね。繊細なんですね。かといって、妙に敷居が高くない。すんなりと手元に届く、そういう意味では横丁の料理。3坪の温もりでした」と語り、大満足の様子で店を後にした。

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