今さら人に聞けない!テニスの「コート」「プレースタイル」の違い

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今年で35回目を迎える「東レ パン パシフィック オープンテニストーナメント」(以下、東レPPOテニス)が、9月21日(月・祝)より、東京都の有明コロシアム及びテニスの森公園で開催。26日(土)のシングルス準決勝、27日(日)のシングルス決勝はTBS系列で放送される(※26日は関東ローカル)。

WTA(女子テニス協会)ツアー大会の一つで、日本最大の国際女子プロテニス大会として注目を集める東レPPOテニス。世界のトッププレイヤーたちの試合をチェックする時に押さえておきたい、テニスの「プレースタイル」と「コート」の違い、両者の関係性について紹介する。

■プレースタイル
<ベースラインプレーヤー>
ベースラインでのグランドストロークを中心にラリーを組み立てるスタイルの選手です。グラウンドストローカーともいう。東レPPOテニスに出場する、キャロライン・ウォズニアッキもこのタイプ。観戦を続けていくと、現在、このベースラインでの打ち合いが世界のテニスの主流になっていることがわかる。このベースラインでの打ち合いを得意とする選手にも、ボールを強く叩くようにハードヒットする攻撃的な選手や、ディフェンス重視で長いラリーを得意とする選手など、様々なスタイルがある。

<サービス&ボレーヤー>
サービスを打ったあとにネットへ出ていき、相手からのリターンをボレーやスマッシュで決めるようなプレースタイルの選手。ネットプレーヤーという言い方もある。女子選手でいえば、東レPPOテニスで過去2度優勝しているマルチナ・ナブラチロワがこのサービス&ボレーヤーの代表格。80年代~90年代にはサービス&ボレーヤーと言っていいトッププレーヤーが多く存在したが、現在はこのスタイルを中心にプレーする選手はほとんど見かけない。ラケットなどの用具の進化やトレーニングなどによりテニスがよりパワー化されたこと、また、ツアーで使用されるサーフェスもグラウンドストロークに適していることなど、多くの要因があると考えられている。

<オールラウンドプレーヤー>
グラウンドストロークもネットプレーも、すべてのプレーを高いレベルで行い、状況に応じてショットを選択しながら戦うプレースタイルの選手。現在、オールラウンドプレーヤーの代表格と言えば、男子のロジャー・フェデラー。ベースラインでの打ち合いが多くなる女子の試合では、基本的にベースラインプレーヤー同士の戦いとなることが多いが、その中でも今回、東レPPOテニスに出場予定のアグニエシュカ・ラドワンスカは、ベースラインプレーヤーながら多彩なショットを駆使するオールラウンドプレーヤーに近い選手と言える。

■コートサーフェスによる戦い方の違い
また、こうしたスタイルの違いは、得意とするコートサーフェスの違いにもつながる。例えば、ウインブルドンをはじめとするグラス(芝)コートは球脚が速く、バウンド後に滑るような変化をするため、パワフルなサーブを打つビッグサーバーや、スライス回転をかけたボレーなど早い展開で勝負にいくようなプレーヤーに向いたサーフェス。それとは逆に、全仏オープンをはじめとするクレー(土)コートは球脚が遅く、バウンド後はボールが弾むため、ウイナーは決まりにくく、守備的な選手に向いている。足を滑らせながら返球するなど、このコートでは独特のフットワークを使うことも特徴だ。また、ヨーロッパや南米でクレーコートが多いことから、その地域出身の選手が得意にしていることも多い。

全豪オープン、全米オープン、そして東レPPOテニスで使用されているハードコートは、使用される素材などによってボールの弾み方や滑り方に違いがある。一般的にアメリカやアジアなどでは、ハードコートが多いため、こうしたサーフェスに慣れている選手はやはりハードコートを好む傾向がある。ベースラインでハードヒットする選手が比較的活躍しやすいサーフェスと言えるが、芝やクレーほどプレースタイルの違いによっての大きな優位性などはないようだ。

(引用元:東レPPOテニス 大会公式サイト「テニスの見方」連載コラムより)

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