『プレバト!!』での毒舌が話題 料理研究家・土井善晴の素顔「家庭料理は簡単でいい」

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『プレバト!!才能ランキング』(MBS/TBS系ネット、毎週水曜19:00~)で盛り付け審査員として出演し、その毒舌ぶりが話題の料理研究家・土井善晴。8月1日に放送された、阿川佐和子が司会を務めるトーク番組『サワコの朝』(MBS/TBS系ネット、毎週土曜7:30~)に出演し、辛口批評をする姿からは想像できない穏やかな口調で「家庭料理」のあるべき姿について語った。

昭和を代表する料理研究家(土井勝)を父に持つ土井は、20代の頃にスイスとフランスで料理を学び、帰国後は老舗料亭「味吉兆」で腕を磨いた。そんな土井が「家庭料理」に目覚めたきっかけは、頼まれて父親の料理教室の講師になったこと。当初、土井は「すぐに納得することはできなかった。プロとして高級な料理をやっていたこととの兼ね合いもあるし、(家庭料理を教えることが)男が一生できる仕事なのかわからなかった。フランスの星付きの店に行きたいと思っていた」という。しかし、やがて「家庭料理は民芸」と考えるようになる。思想家・柳宗悦らによる「民芸運動」とは、普段の暮らしの中で使っている食器や花器に美しさを見出すが、土井はこれを家庭料理で実践しようとしている。土井にとってまさに分岐点。「自分にとって大発見だった」と振り返った。

土井は「家庭料理は、すごく簡単に美味しいものができる」と説く。「食材はそのときの季節のものを素直に使うこと」「和食には(料理の)名前がない。食材の名前に、焼く、蒸す、煮る、などの調理方法を当てはめるだけ」「手抜きをしていると自分で思ったら、嫌になる。レストランで出るようなものを作らなくちゃならないと思うと、負担になる。だから、ちゃんとご飯つくって、味噌汁つくる、一汁一菜だけでいい」「“和食の初期化”をするべき。いつも同じものでいい」など、自身が考える家庭料理の真髄について語っていた。

スタジオでは、実際に料理も披露。「トマトのミートソーススパゲティ」を作ったが、オリーブオイルにニンニク、ざくざく切ったトマト、牛挽肉をシンプルに調理したもの。阿川が「美味しい!」と言うと、「まずくなるようなことを何もしなかったから」と土井。特別なテクニックや高級な材料がなくとも、旬の素材に対して間違ったことをしなければ、必ず美味しくなる。しかも、和食、洋食といった縛りもない。そんな「日本の家庭料理」の担い手を、土井はボランティアで指導することもあるという。「日本の“お母さん”は世界でもシェフとして通用する」と笑顔で語った土井。日々の料理が大変だ」とばかり思っている主婦(あるいは主夫)がいるとすれば、彼の指南によって考え方が変わり、光明が差すに違いない。

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