牛乳瓶にウニ? 正真正銘の生ウニに大興奮、ウド鈴木もウニ鈴木に!?

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8月10日放送の『秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ・日本テレビ系)で岩手県民熱愛グルメとして取り上げたのは、ウニ。ウニというだけでは、そりゃあ熱愛するでしょうと思ってしまうが、とりあげたのはなんと! 牛乳瓶に入ったウニだった。いったいそれはどういうことか?

われわれ他県民が知っているウニといえば、板にきれいに並んだものだろう。だが岩手県の三陸海岸で県民に聞いてまわると、板に乗ったウニは見たことがないという人も。「ああ、あれは東京っぽいよね」とそっけない。

岩手県民にとってのウニは、牛乳瓶に入っているものだという。“板ウニ”は色も揃っていて見栄えがいいが、牛乳瓶入りだと色はけっこうマチマチで大きさも不ぞろい。だがとにかくおいしいらしい。ウニを殻から剥いてすぐ、海水とともに牛乳瓶いっぱいに詰めてあるのだという。

海岸から近い市場に行くと、そこここの魚屋さんの店先に、確かにあるある! 牛乳瓶が並んでいて、ほんとにウニが一杯詰まってる!

スーパーに行くとそこにも牛乳瓶入りのウニが並んでいる。お店の方に聞いてみると、こう説明してくれた。
「ウニは身が柔らかいのですぐ崩れてしまうので、板ウニはミョウバンという薬で固めてきれいに並べているのです。一方、瓶ウニはそのままです。何もしてない、無添加のウニ、海から生まれたままのウニなんです。
なるほど、我々が知っているのはミョウバンで固めたものだったのか。

県民のお宅におじゃますると、冷蔵庫の中にホントの牛乳と並んで、牛乳瓶入りのウニが何本も並んでいる。それを丼にドボドボあける。確かに茶色いのからオレンジまで色はさまざま。正直、ちょっとブキミであまりうまそうな見た目ではない。

それを食卓に出すと、家族たちが次々に小皿にとって、驚くことに醤油も何も付けずにそのまま口に運ぶ! 生のままのウニを、そのまま食べているのだ。そして口々においしい、うまいと連発する。

さらに別のお宅では、米の入った炊飯器に牛乳瓶からどぼどぼウニを注いで、醤油を少しだけたらしてスイッチオン。炊き上がると、炊き込みごはんのできあがり。これを岩手県民は「かぜ飯」と呼ぶ。「かぜ」とは釜石弁でウニのこと。なんとも粋な名前ではないか!

山田町観光協会の沼崎真也さんに由来を聞くと……
「50年ほど前、とあるウニ屋がある時たまたま近くにあった牛乳の空き瓶に生ウニを入れてみたところ、塩水を満たしても密閉できるし、運搬の際に揺れてもウニの身が崩れない。これはいいと、岩手県内各地に広がっていった」とのことだった。

スタジオではまず、まさに岩手県民で実家が漁師だったという村上弘明がウニ自慢。ウニやアワビをお金を出して買う感覚がわからない、食べたい時は海に潜ればいくらでもとれるからとドヤ顔で言うのに対し、一同うらやましがることしきり。

また全員でさっきの「かぜ飯」を試食すると、そのおいしさに全員が大興奮する。山形県民のウド鈴木は感激のあまり、「今日からぼくはウニ鈴木になります!」というよくわからないコメントで感動を表現していた。

牛乳瓶入りのウニは、初夏から8月半ばまでのもので、今年の出荷はもう終わっているそうだ。来年は夏の声を聞いたらすぐに、岩手にダッシュしてこの牛乳瓶入りのウニを口いっぱいにほおばりたいものだ。

【文:境 治】

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