石原さとみ「好きだからこそ…」暗黙のルールに異論を唱える

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石原さとみが主演を務める日本テレビ系の連続ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(毎週水曜22:00~)。10月19日放送の第3話では、石原演じる悦子が、校閲にまつわる暗黙のルールに対して異論を唱えた。

原作は、宮木あや子による小説「校閲ガール」シリーズ(KADOKAWA刊)。オシャレが大好きな悦子は、夢のファッション編集者を目指して出版社に入社。しかし、配属されたのは、超地味な校閲部だった。そこで、小説の些細な点が気になって舞台となる北海道に直行したり、週刊誌が追う事件の真実を確かめに現場に潜入取材したり、時には、矛盾点を作家に訴え内容を大幅に変更させるなど、校閲の仕事を超えて大暴れ。「……あれ? この仕事、地味にスゴイ?? いえいえ、私がなりたいのはファッション編集者ですからッ!」と思いながら、今日も“ド派手ファッション”という戦闘服に身を包み、校閲の仕事に立ち向かっていく。

第3話では、悦子が、ファッションショーで幸人(菅田将暉)と再会し、幸人が作家の是永是之だと知って大パニック。そんな中、悦子は、人気作家・四条真理恵(賀来千香子)の小説を号泣しながら校閲している米岡(和田正人)に遭遇。すると、茸原(岸谷五朗)が「米岡くん、あなたまさか四条真理恵先生のファンだったんですか? そういうことは事前に申告してもらわないと困りますね。誰かとゲラ取り替えてもらえますか」と指示する。困惑する悦子に、茸原は「好きな作家さんや、好きな分野の作品を担当すると、作品に入り込みすぎたり、感情的になりすぎたりしてミスをしてしまいがちなので、うちでは担当しない決まりなんです」と説明。そのため、この原稿は悦子が担当することになった。

その後、米岡と食事をしながら、悦子が「好きな作家を担当しちゃいけないってなんか納得いかないルールじゃない? 米岡さん、本が好きで出版社に入ったクチじゃない。それなのに好きな作家担当しちゃいけないなんて拷問じゃない」とこぼすと、藤岩(江口のりこ)が「好きだからこそ担当するべきではないのです。冷静さを欠いてミスをすれば、結果、好きな作家に迷惑をかけることになるんですから」と指摘し、「私は校閲に私情を挟みたくないので、普段から好きだという感情は封印するようにしています」と徹底した仕事ぶりを明らかにした。しかし、悦子は「でも、好きだからこそできることもあると思うけどな」と納得のいかない様子。

後日、校閲を終えた悦子は、四条から「自分で気付かなかった作品の中の矛盾を指摘したこと」を感謝される。だが、その矛盾を指摘したのは悦子ではなかった……。悦子の知らない間に、誰かが四条のゲラに矛盾を指摘した付箋を貼ったのだった。悦子は米岡の仕業ではないかと考えるが、彼に聞いても身に覚えがないという。そんな中、悦子は、米岡と一緒に四条のトークイベントに出席するが、そこにはなぜか藤岩も来ていて……。

会場から逃げ出す藤岩を捕まえ、問い詰める悦子。すると、黙って付箋を貼り付けたことについて、藤岩は「名乗れば先生のファンであることが公になってしまいます。校閲者としてはどの作家に対しても、どの本に対しても公平な立場でいたいんです。だから、これまでも四条先生の担当にならないように細心の注意を払ってきたんです」とプロ根性を見せる。また、「正直なことを言えば、私だって先生の作品を校閲してみたい。でもルールはルールですから。ルールを破ってまで欲望を押し通すのは、私の主義に反します」とも語った。

しかしその後、悦子の計らいによって、四条の再稿が藤岩に回ってくることに。藤岩は「私はやるべきではありません」と頑なに拒むが、悦子は「やりたいならやるべきですよ。あの指摘は先生の作品を心底好きな人じゃないとできなかった指摘です。藤岩さんにしかできない校閲だったんです。なのに、ルールだからって他の人が担当するなんておかしいですよ」と説得。さらに、茸原も「好きだからこそできることもある。その通りかもしれません。今一度、校閲のルールを見直す必要がありそうですね」と語り、「四条先生の再校をお願いできますか?」と改めて依頼すると、藤岩も「喜んでやらせていただきます」と快諾するのだった。

■第3話に登場した校閲ポイント
・俗字と正字をどちらかに統一する。「掴む」と「摑む」など。
・ふりがなのルビを「中付き」と「肩付き」どちらかに統一する。

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