唐沢寿明「日本人として誇りに思う」主演映画『杉原千畝』ワールドプレミアで感激

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12月5日(土)に公開される映画『杉原千畝 スギハラチウネ』のワールドプレミアが、13日に作品の舞台・リトアニアで行われ、主演の唐沢寿明をはじめ、小雪チェリン・グラック監督が出席した。

第二次世界大戦時にリトアニア領事としてユダヤ難民にビザを発給し続け、6000人の命を救ったと言われ、“日本のシンドラー”とも呼ばれる外交官・杉原千畝の壮絶な生涯を綴った本作。これまであまり語られていない、インテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)として危険な諜報戦に身を投じた千畝の姿を描く新しい試みにも挑戦している。

舞台挨拶に先駆け、現地の千畝にまつわる場所を巡っていた三人。登壇後、唐沢は「こんなにたくさんの方々に来ていただいて、本当に感動しております。今回、杉原さんが滞在していた日本領事館、またカウナス駅のホームに立ち、ホテルメトロポリスを訪れ、より一層杉原さんを身近に感じることができました。この地でこんなにたくさんの人に映画を観ていただくことができ、日本人として改めて杉原千畝さんを誇りに思います」と語り「杉原さんのことを忘れずにいてください。そして僕たちのこともなんとなく忘れないでください(笑)」と、冗談めかし笑いを誘った。

千畝の妻・幸子を演じた小雪は「この作品のお話をいただいた時に、終戦70年を迎えるにあたって自分に与えられた役目なんじゃないか、と感じました。この映画で戦争を振り返り、世界中の人が差別や戦争を考えるきっかけになったらと思います」とコメント。チェリン・グラック監督は「リトアニア・カウナスでプレミアができるとは思っていませんでした。皆さんに伝えるべきこと、言うべきことはたくさんあるはずなのですが、僕としては初めてご覧いただくのがカウナスの皆さんだということがものすごく嬉しいです」と、喜びを明かした。

試写会では涙を流し続ける人が続出し、本編上映後には5分間以上もスタンディングオベーションが続いた。観客からは「非常に感動し、涙が流れました。とても奥深い映画。この映画が大好きです」「私自身もユダヤ人です。当時に生きていたら迫害を受けていただろうと思います。ユダヤ人の中にも良い人も悪い人もいる。でも等しく迫害を受けた。そこがきちんと描かれていてよかった」「戦争は最も良くないことです。私の親戚も強制収容所に入れられましたし、私自身もユダヤ人です。この映画が戦争をなくすために役に立つことを期待します」といった感想が寄せられた。

観客のリアクションを受け、唐沢は「皆がニコニコといい顔をしていて、この映画の、そして監督の世界観が受け入れられたということが伝わり、感動しました」と明かし、小雪は「皆の目がきらきら輝いていて嬉しかったです。映画を観ていただいて、今やっと映画が完結したように思います」と、感慨深げに語っていた。

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