2014年に公開された韓国映画『怪しい彼女』をリメイクした『あやしい彼女』が、2016年4月1日に公開され、女優の多部未華子が主演を務めることがわかった。倍賞美津子演じるおばあちゃんが若返り、20歳になった主人公を演じる。監督は、『謝罪の王様』『舞妓Haaaan!!!』などで知られる水田伸生。

原作は、韓国で公開され、約865万人を動員した大ヒット映画『怪しい彼女』（2014年）。周囲から煙たがられる73歳のおばあちゃん・瀬山カツ（倍賞）は、女手ひとつで娘を育て、望むような人生を生きることはできなかった。ある日、娘と喧嘩し家を飛び出した先で、ふと目にした写真館に引き寄せられる。写真を撮って店を出てみると、そこにはなんと20歳に戻った自分がいた。20歳の麗しい容姿を取り戻した彼女（多部）は、“神様がくれたチャンス？”とばかりに、髪型、洋服、そして名前も大鳥節子と変え、思い通りに生きられなかった人生を取り戻すために新しい生活を始める。そんな中、なじみの商店街で開かれたのど自慢大会で、得意の昭和歌謡を気持ちよく熱唱。その歌声は会場中を魅了し、歌手になる夢が動き始める。その姿は関わる人たちに、勇気や夢を与えていくが、そんな夢は長くは続かず……。

20歳に若返ったおばあちゃん・大鳥節子役の多部は、「おばあちゃん、バンド、ボーカルと初めてのことがたくさんありますが、コメディなのでとにかく楽しく、愉快に、面白く演じられればいいなと思います」と語り、「水田監督は、たくさんのスタッフキャストに愛されている監督だと聞いていますので、初めから安心感でいっぱいですが、話し合いながら一緒に、いけずで愛らしい節子を作り上げていけたらと思っています」と意気込んだ。

一方、瀬山カツ役の倍賞は「昔からずっと自分が面白いと思う仕事をしてきたので、この作品のお話しをいただいたときも面白いと思い、お受けしました」と、出演への経緯を明かす。「水田監督とも多部さんともご一緒するのは初めてですが、多部さんとは顔形は違うけれど、演技の中でふとした時のしぐさや動きの癖を合わせるだけでなく、私たちが演じる主人公の気持ちやバックグラウンドを共有できれば、繋がって、同一人物だということが伝わると思います」と役作りのポイントを語った。そして、「73歳のカツのように、この年になったら“ああ、やり直せればよかったのに”と思う失敗はたくさんあるものです。年配の方々にとっても“私たちにもこういう経験があったなあ”と共感してもらえると同時に、昔の思い出に浸りつつ一時のいい夢をみんな持てるんだよ、という明るいメッセージが込められていると思います」と、作品の魅力をアピールした。

水田監督は「憧れの大女優、倍賞美津子さんの愛情キラキラ溢れる芝居に、多部未華子さんの可愛いくも切れ味抜群の芝居に、毎日痺れまくっています。身も心もビリビリ痺れる映画に……します、なります、きっと！」と、コメントを寄せた。