「冴羽」役で話題、上川隆也の安定感『花咲舞』第6話の視聴率は14.3%

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12日に、が主演するドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系、毎週水曜22:00~)の第6話が放送され、視聴率は14.3%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯視聴率)。第1話は14.7%、第2話は12.9%、第3話は14.7%、第4話は14.1%、第5話は13.6%と推移しており、第6話までの平均視聴率は14.0%を超え、今期の民放連続ドラマの中ではダントツの1位。平均視聴率16.0%を記録した前作(2014年4月期)に続き、抜群の安定感を見せている。

本作は、「半沢直樹」シリーズなどで知られる作家・池井戸潤による小説が原作。誤払い、現金紛失、情報漏洩、融資トラブル、背任行為などの問題が起きている銀行の支店に赴き、解決に導く臨店班の花咲舞(杏)、彼女とコンビを組むベテラン行員・相馬健(上川隆也)の活躍を描く。奇抜なキャスティングや、荒唐無稽なストーリーが話題になるわけではない中で高視聴率を連発しているのは、原作や脚本の力もさることながら、役者陣の魅力が大きく寄与していると言えそうだ。

たとえ立場が上の人間が相手でも、「お言葉を返すようですが」と間違っていることは間違っているとハッキリ物申す主人公・舞を、連続テレビ小説「ごちそうさん」(NHK)などを経て今や国民的女優になった杏が実直に演じている。時に正論を振りかざすことは「ウザい」と思われがちだが、好感度が高い杏が演じると無理がない。素顔も努力家で誠実な印象があり、例えば『花咲舞』のスタッフが、ドラマの内容に直接関わるか否かを問わず銀行に関する膨大な知識・情報をまとめ、連載のように毎回台本の中に入れていることに対し、あるメディアの取材で敬意と感謝を語ったことも。さらに、父親(大杉漣)が営む居酒屋でクダを巻くシーンが実に効果的で、舞の気取らない魅力が本人のイメージとも重なり、好評を得ている。

そして、そんな杏が演じる舞とコンビを組み、時に猪突猛進になる彼女をフォローする役回りの相馬を好演している、上川隆也の存在も見過ごせない。毎回、放送後にはTwitterなどで舞と相馬のかけ合いを絶賛する声が相次ぎ、出世に貪欲ではないが正義を貫く信念を持ち、例の居酒屋でも舞の相手をそつなくこなす相馬に「こんな上司が理想」という意見が多数。このキャラクター造形は上川の演技力の賜物であることは言うまでもないが、50歳にして若さと清潔感を保ち続ける上川を「かっこいい」と絶賛する女性ファンも増加している。2013年~2014年には『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ)の人気コーナー「ゴチになります!」に出演していたが、ここで見せた俳優以外の顔も実直そのもの(時期は被っていないが、偶然、杏も同コーナーに出演していた)。バラエティ番組内での発言もそうだが、ドラマ出演決定などの記事に掲載されるコメントも、やや堅い印象もある丁寧な日本語表現を貫く。そういった積み重ねもあり、ストイックなイメージが定着した。主演の杏はもちろんだが、脇を固める上川の安定した演技、真面目な印象も、『花咲舞』快進撃を支える要因となっていることは間違いない。

劇団出身で演技の幅も広く激しいアクションもこなす上川は、数々のドラマ・映画・舞台に出演し、華々しいキャリアを積んできた。大河ドラマ『功名が辻』(NHK)の山内一豊役をはじめ、『お水の花道』(フジテレビ)のクラブオーナー役、舞台『真田十勇士』の真田幸村役など、代表作は枚挙にいとまがない。2015年10月スタートの新ドラマ『エンジェル・ハート』(日本テレビ)では、「シティハンター」でもおなじみの主人公・冴羽獠を演じることが決定。冴羽は原作漫画やアニメでのイメージが強く、実写化に関しては賛否両論が飛び交ったが、上川の名前が発表されると、ネット上では「雰囲気がある」「合ってるかも」といった安心の声。キャスティングによっては物議を醸しそうな作品でもスッと馴染んでしまう安定感は、他に類を見ない。俳優・上川隆也の今後の活躍に注目したい。

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