岡田将生、“映画俳優”への思いと本格アクション初挑戦について語る

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気鋭のベストセラー作家・本多孝好氏の新感覚アクション小説を映画化した『ストレイヤーズ・クロニクル』(6月27日公開)。本作は、『アントキノイノチ』などで知られる瀬々敬久監督がメガホンを取り、主演の岡田将生さんをはじめとする、日本のエンターテインメントの未来を担う次世代のエースが集結した。極秘機関の実験によって、進化した特殊な能力を持たされた2組の子どもたち。彼らは、自分たちが望んでいない能力と引き替えに、若くして死んでしまう運命にあった。やがて彼らは成長し、一方が“未来への希望”を信じる集団、もう一方が“未来の破壊”を望む殺戮集団となって対立し、壮絶な戦いを繰り広げる。

この度、悲しい宿命を背負いながらも、未来への希望を持つ<チームスバル>のリーダー・昴(すばる)を演じた岡田将生さんにインタビューを行い、対立する<チームアゲハ>のリーダー・学(まなぶ)を演じた染谷将太さんとの共演秘話、初めて挑戦したアクションシーン、自分自身の感情にも重ねた役どころと映画のテーマについて、たっぷり語っていただいた。

──染谷将太さんとは、同じく瀬々監督の作品『アントキノイノチ』以来、3年ぶりの共演ですね。

将太の出ている作品はよく観ていましたし、そもそも昔から知っている間柄なので、ずっとまた一緒に仕事がしたいなと思っていたんです。僕が将太をいいというわけではなくて、瀬々監督も将太にあの役をやって欲しかったんだと思いますし、何より、また一緒に仕事ができるというのは本当に嬉しかったです。

──染谷さんの、俳優としての魅力はどんなところですか?

最初に出会ったのは、たしか僕が18歳で将太が14歳のとき。その当時から将太はお芝居が巧くて、素敵で。ずっと見てきた俳優です。本当に尊敬しています。

──岡田さんが演じた昴と、染谷さんが演じた学は、それぞれのチームを引っ張るリーダー。現場での振舞いの違いについて聞かせてください。

撮影がスタートした時は、まだ将太の<チームアゲハ>とは会っていなくて、<チームスバル>だけで撮影をしていたんです。チームのメンバーは昔から一緒に育ってきた兄弟のような存在という設定なので、普段からコミュニケーションをとって仲良くしようという感じはありました。ただ、僕自身は一番上、兄とかリーダーとかそういう立ち位置の役は初めてで、今回は甘えられるところがなくてしんどかったです(笑)。

──対照的に<チームアゲハ>は集まっても会話がないと伺いました。

将太が、本気で僕に相談してきましたからね。「<チームアゲハ>のメンバーが一言もしゃべらないのは僕の人間性を表していて、僕のせいだと言われているんだけど、どうしたらいいかな」と(笑)。

──岡田さんはどんなアドバイスしましたか?

何も(笑)。ただ、<チームアゲハ>は、役柄や設定的にもそういう緊張感があるっていうのは、とてもいいことだと思ったんです。僕自身も彼らと対峙したときに、ああ、こういう感じなのかと。<チームスバル>とはぜんぜん違う<チームアゲハ>のその雰囲気が、逆にいいなと思えたんですよね。<チームアゲハ>と対峙するシーンはいつも刺激的で、将太がチームのみんなのお芝居を引っ張っている姿を見て、僕自身も感化されて、もっと頑張らなきゃなと思いましたね。

──リーダー同士、岡田さんと染谷さんは仲が良くて撮影の合間はよく話していたそうですね。

将太は僕のことを先輩とも何とも思ってないですからね。ボートで撮影した日のことですが、将太が「まーくんだったらこのタイミングで落っこちる(役目)でしょ」ってバカにしてた矢先、落ちはしないけど水が僕にかかったんです。それがすっごく臭くて……(笑)。

――染谷さんとは、どんなことを話していますか?

僕の初めてのドラマで共演させていただいて以来、二人で映画を観に行ったり、洋服を見に行ったりもしますし、プライベートなことも話します。あと、将太は映画の世界をよく知っているので、観ておくべき作品を聞いたり、知識も豊富なので、話していて勉強になることがとても多いです。僕は将太のことを“映画人”だと思って尊敬していますが、単純に話していて楽しいというのもありますね。

――染谷さんに刺激を受けて、“映画俳優”としての思いが強くなった?

将太の出ている作品もよく観るのですが、彼の芝居にはいつも刺激を受けています。あの目は、絶対に誰にもできない目ですよね。今回は久しぶりに共演できて、間近で芝居を見ることができて良かった。僕も、もっといろんな現場に行きたい、たくさん映画に関わりたい、という気持ちはさらに強くなりました。僕は、初めて経験した『天然コケッコー』(2007年公開)の現場で、映画の面白さを教えてもらいました。今でも残っているその時の感覚が、僕の役者としての原点と呼べるものなんだと思います。

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