『嵐にしやがれ』総合演出に『イッテQ』古立善之が就任「新しい嵐を発見したい」

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■『嵐にしやがれ』が大幅パワーアップ
アイドルグループ・嵐が出演している人気番組『嵐にしやがれ』(日本テレビ系、毎週土曜22:00~)が、4月11日の放送回からパワーアップ。同局で放送中の『世界の果てまでイッテQ!』『月曜から夜ふかし』などの演出を手がける古立善之さんが担当することになり、内容も様変わりし、“見たことのない嵐”が誕生します。『嵐にしやがれ』総合演出に就任し、「新しい嵐を発見したい」と意欲を見せる古立さんに、番組コンセプトの変更点、嵐メンバーの印象、具体的な企画内容などをうかがいました。

――まずは、古立さんがこれまで手がけられてきた番組を教えて下さい。

僕は1997年に日本テレビに入社し、1年目は『スーパーJOCKEY』のADをやって、それから『進め!電波少年』『雷波少年』のディレクターを2002年までやっていました。2007年に『イッテQ』が立ち上がって、今9年目になります。あと、『満天☆青空レストラン』と『夜ふかし』を立ち上げ、特番は『うわっ!だまされた大賞』など。それと『24時間テレビ』を2009年と11年、13年。嵐の皆さんが13年にメインパーソナリティーを務めてくださったので、ご一緒するのはその時以来です。

――『嵐にしやがれ』総合演出を担当することが決まった時の、率直な感想は?

緊張しますよね(笑)。ただ、僕も40歳になり、ふと「あといくつ番組ができるんだろう」と思うこともあるので、このタイミングで嵐の皆さんとやらせてもらえるというのは、ディレクター冥利に尽きますね。ワクワクしてます。今まで培ってきたものを全部ぶつけたい。やる気満々な感じになってますよ!

――嵐の皆さんにどういった印象をお持ちですか?

すごく“プロフェッショナル”なんですよね。お話しているときも、暑い、寒い、眠い……そういう弱音を吐くことなく、まず、第一声は「どうやっていこうか」「これはどうしたら面白くなるのか」。そこから始まります。きっと彼らには、忙しい毎日の中でも「どうでもいいや」という仕事は一個も回ってこない。次から次へと大きなプロジェクトを任されていくような状態だから、ムダな議論は排除され、常にクオリティの高さを求めていくようになったんだと思います。リニューアル後の『嵐にしやがれ』は、そんな彼らとムダな議論をして、意味のなさそうなことを一生懸命やってもらう番組にしたいと思っていて、そこで嵐の皆さんがどんな顔を見せるのか、楽しみですね。あと、アイドルとはいえ、笑いを取ることに対してのハングリーさも持っているので、その辺もうまく引き出していきたいです。

――どうでもいいことを、あえてやってみる。その新しい番組コンセプトには、どんな意図がありますか?

僕は、嵐の力を借りて“何か”を視聴者の方々に見せるという番組にはしたくない。“何か”を利用して嵐の5人という人間を見せる番組にしたい。これが基本的なコンセプトです。だから、一見どうでもいいと思うようなことをやらせて、彼らに体を張ってもらい、ちょっと追い詰めたりもする。そこで、つい愚痴が出たり、ふっと表情が緩んだり……そういう“人間・嵐”みたいなところを、あぶり出していきたいと考えています。企画も「それで?」というものだったりするんですけど(笑)、それぞれのメンバーの、誰も見たことがない素顔がのぞく瞬間を狙いたいですね。新しい嵐を発見したいです。まずは、一人だけで行くロケ企画を一人ずつ、背負ってもらおうと思います。

――視聴者が求めるものも同じだと。

はい。そう思います。僕も嫁も嵐のファンなので、「嵐が見たいんだよね」っていうだけの話なんです。多分、世の中の人たちもそうなんじゃないかなと。数字を拾いに行くような企画を用意して、「嵐さん、これをやってください」ということではないと思うんです。

――番組の新しい方針について、ご本人たちの反応はいかがでしたか?

どうですかね。まだ始まったばかりなので、探り探りだと思います。まだ「これ、大丈夫かな?」みたいな感じなのかな(笑)。でも、ご本人たちも、素晴らしい実績を長年積み重ねてきた中で「じゃあこの後、どんなことを楽しんでやっていくのか」と考えることもあるのではないかと思います。新しいことをやろうとしているから、すごく前のめりでやって下さっている感じはありますね。ロケは全力投球ですよ。

――この番組を通じて新しい嵐の魅力が生まれる予感がします!

そうなったら、嬉しいですね。やりながら、形を作っていくということだと思うので。この新しい『嵐にしやがれ』をやることによって、彼らの新しい芸風を作っていく……いや、芸風じゃないですけどね(笑)。こちらが勝手にひしひしと感じているのは、彼らの「笑いを取りたい」という強い気持ちです。嵐がやっている仕事で言えば、ツアーはツアーとして、曲は曲で、それぞれ目指すところがあると思います。では、バラエティだったら何なんだと。やっぱり、そこは“笑い”に挑まなくてはいけないのではないか。その感覚を、彼らも持っているんだと思います。アイドルだから、スタジオで何となく楽しくやって、ゲストともフワッと話して、美味しいものを「美味しい」と言って食べて……みたいな感じでやっていても、見たいと思う視聴者の方はたくさんいるわけじゃないですか。でも、僕ら番組制作者は、そこに甘えちゃいけないと思います。彼らは、ただ観賞されるだけのアイドルではなくて、訴えかけるもの、伝えたいものがあって、そして、バラエティに出るからには「笑わせたい」というプロ意識もちゃんと持っている。ただ、その気持ちが強いと、僕も彼らをお笑い芸人として扱い始めてしまうので危ないですけどね(笑)。でも、たとえ誰かにお叱りを受けても、“笑いを取れるフィールド”を彼らのために用意してあげたいと思っていますし、そこは頑張りたい。この番組が、嵐が進化していく、変わっていくための道筋、歯車になったら嬉しいですね。


■嵐のメンバーが挑む企画の具体的な内容
『イッテQ』など、日本テレビの超人気番組を手がける古立さんの演出で生まれ変わる『嵐にしやがれ』。直近に放送が予定されているのは、嵐5人がそれぞれ一人で受け持つ新企画。最初は、「大野智の作ってみよう!」で日本が誇る炊飯器の原点である縄文土器を作成。体正体がバレた時点でロケを中断し即撤収&即帰宅しなければならない「ニッポン再発見!櫻井翔のお忍び旅行」で冬の沖縄巡り。「相葉雅紀の代行調査」では、わざと乗り物酔いをしてその解消法を実践し検証。「二宮和也の小さな野望」では、花粉症で苦しむ人々を救いたいと、スギ林で自ら地道に花粉を収集。男の憧れを実現していく「松本潤のThis is MJ」では、“かっこよく柵を跳び越える”ことを極めるべく、様々な方法でチャレンジします。

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