井浦新「無我夢中で演じた」返還交渉人・千葉一夫の知られざる外交交渉

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井浦新が主演する『スペシャルドラマ返還交渉人〜いつか、沖縄を取り戻す〜』が、8月12日(土)21時からBSプレミアムにて放送される。

今から45年前、アメリカから日本に返還された沖縄。この時、日本のプライドをかけアメリカと闘った1人の外交官、北米第一課長・千葉一夫。“日本のため、沖縄のため”を貫いた、知られざる外交交渉とは……。千葉の原点にあった壮絶な体験と、それを支えた夫婦の愛と絆とは……。実話に基づいた“返還交渉人”の物語を描く。

主人公の千葉一夫 を演じる井浦は、「今回の台本をいただいて、僕自身も初めて千葉一夫さんのことを知りました。少しでも千葉さんの心に近づけるように全身全霊かけて向き合っていかなければいけない役であると感じて、実際に撮影中も無我夢中でとにかく監督を信じて千葉さんの役を演じ続けていました。千葉さんの躍動する生命感というものを、闘い続けた1人の男の躍動感、生命感というものをとにかく表していこうと一生懸命やらせていただきました。1人でも多くの方にこの作品を通してこの時代とさまざまなことを知っていただけるきっかけになればと思っております」とコメント。

千葉惠子役を演じた戸田は、「とても力強い男たちのドラマになっているなと深く感動致しました。惠子さんも海外留学をされていて、キリスト教で博愛主義者で、旦那さんと肩を並べて歩くような夫婦像だなと思っていましたので、神楽坂で二人で歩くシーンなどはとてもいい感じに撮れていたんじゃないかなと思いました。先日監督に、初めての共演だけど夫婦に見えたよって言っていただいて、その言葉がすごくうれしかったです。千葉一夫さんという方がいらっしゃったということを日本人の皆さんに知っていただきたいのでぜひとも多くの方に見ていただきたいと思います」とアピールした。

制作統括の西脇順一郎によると、2年前に沖縄返還のNHKスペシャルを制作した時に、千葉一夫という方が沖縄返還の裏で、黒子として非常に大きな役割を果たしていたことが分かったことが原点になっているという。その後取材を積み重ね脚本化し、実話に基づいた返還交渉人の物語、フィクションとして描かれる。

また、演出の柳川強は、「ラストシーンの新さん演じる千葉一夫が基地の横を歩いて行く姿を見ていて、ある詩が浮かびました。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い出しました。つまりそういう人間としてそういうなくてはならない美徳といいますか、人間性といいますか、そういったものを実在した千葉一夫さんという男の姿を通じて描くドラマだと思っています」と語っている。

<あらすじ>千葉一夫は、沖縄返還で外交交渉の最前線にいた、実在の人物。戦時中、海軍の通信士官だった千葉は、沖縄を圧倒的な武力で攻撃する米軍の無線を、ただ傍受することしかできなかった。戦後、外交官となった千葉は、妻の恵子に「いつか、沖縄を取り戻す」と誓う。

返還交渉が始まった1960年代。本土から切り離され、アメリカの統治下にあった沖縄は、米軍がベトナム戦争へ出撃する拠点となり、核兵器まで配備されていた。沖縄から、核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい外交交渉を重ねた千葉。さらに何度も沖縄に足を運んでは、人々の苦悩に真摯に耳を傾けた。千葉が貫いたもの。それは、日本のこと、沖縄のことは、自分たちで決められるようにするという、強い信念だった。その奥底にあった、想像を絶する体験とは。そして、挫折しかけた千葉を支えた、夫婦の愛と絆の物語とは……。

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