小芝風花主演で「原爆の絵」の取組をドラマ化『ふたりのキャンバス』

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8月1日(火)19時30分から NHK総合テレビにてヒロシマ8.6ドラマ 『ふたりのキャンバス』が、中国地方先行で放送される。※全国放送は、8月5日(土)15時5分から。放送を前に25日渋谷の同局にて、ヒロインのの小芝風花近藤正臣が試写会に出席した。

本作は、NHK広島放送局が、広島市立基町高校で10年前から行われている高校生と被爆体験証言者による「原爆の絵」の取組を題材として制作。自らの想像を超える体験をした人を分かろうと努力することで、成長していく高校生の姿を瑞々しく描いていく。

広島市の高校の美術コースに通う柳井里保役(16歳)の小芝は、「今回『ふたりのキャンバス』で初めてのドラマ主演で、最初決まったときはすごくうれしいのと、やはり「原爆の絵」というのがテーマなので、私にできるのかな、という不安がすごくありました。でも現場に入ってスタッフの方に支えていただき、近藤さんや共演者の方からすごく学ばせていただきました。撮影に入る前に私も被爆者の方のお話を伺って、その時に「あなたはあなたができることで伝えていってほしい」って言ってくださったんです。伝わらないかもしれないけど、でもこの作品を通して何か伝えられたらという思いで撮影に臨みました。見てくださった方がすこしでも何か感じていただけたらうれしいです」とあいさつ。

10歳の時に被爆した体験を持つ遠藤雄造役(82歳)の近藤は、「”原爆の絵”を描いている高校生が、いまも、去年も、5年前も8年前もいるという現実をちゃんと知りませんでした。こんな風だったよって語り、励まし、こんなことだったんだっていうのを、半世紀以上年が離れている高校生とするんですからね。伝えようとしても、伝わらない、もどかしい。描こうとしている高校生も、分からない、難しい。これが10年間それぞれ被爆者の方々が、それだけ年の違う高校生に一生懸命自分の思いや、見た物を伝えていかれた努力はすさまじいと思いました。このドラマの最後に描かれたいくつかの絵が流れます。感動します。被爆者の方々は本当にお年を召している。これから誰が伝えていくか、今度は高校生がそれを伝えてほしいね、と思いました」と語った。

制作統括の田中意澄(NHK広島放送局)氏は、「戦後70年を経て、今回の主役のような高校生たちにとっては、原爆を投下されたこと自体が教科書に載ってる歴史の1ページのようなことになっています。被爆体験の継承というのが広島で番組を作るメディアとして大きな使命になっております。今回そういったことを踏まえて、広島市立基町高校で実際に行われている活動をモデルにさせていただきました。特段原爆に関心があるわけでもない、普通の高校生が被爆者の方と対話を繰り広げることによって、どんなことを知りどんな成長を遂げているのかということをドラマにしました」と明かした。

また、演出の熊野律時(NHK広島放送局)氏は、「番組ポスターにもありますが「わからないけど、わかりたい 伝わらないかも、でも伝えたい」、これはまさに取材の中で高校生と被爆者の方のお話を聞いていく中で思ったことです。高校生と80歳のとてつもない経験をしてその後生きてきた人が、どうやったら少しでも分かり合えるか。きっと全部は分からない、本当に全部分かってもらえるはずもないし、分かってほしいわけでもない。でも伝えたい部分は確実にあって、それを高校生にどうやって伝えたらいいのか。それに必死に分かろうと食らいついてくる高校生。そのやりとりを重ねた時間がとても印象深かったというお話を何人もの方々から聞いたときに、これは原爆のことを伝えていくという大事なテーマと同時に、より深く人と人とが理解し合う大切さを、ドラマの形で伝えられるのではないかと思いました」とアピールした。

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