松重豊「石橋凌の“田中角栄”は恐ろしかった」ロッキード事件の全ぼうに迫る

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社会に大きな衝撃を与えた事件を徹底検証することで、事件の教訓を問い続けてきた「シリーズ 未解決事件」。7月23日(土)19時30からNHK総合で放送される“シリーズ5弾”は、事件から40年たった今なお多くの謎が残されている「ロッキード事件」の全ぼうに迫る。この再現ドラマに松重豊が吉永祐介役(東京地検特捜部主任検事)、石橋凌が田中角栄役(前総理大臣)で出演。また、今回は「NHKスペシャル」版に加え、9月24日(土)に「BS1スペシャル」版の放送も決定。

米・ロッキード社製の旅客機トライスターの売り込みをめぐり、日本の政財界に巨額の賄賂がばらまかれたとされるロッキード事件。ロ社の代理店・丸紅を通じ田中角栄前首相に5億円が渡ったとされ、田中前首相は逮捕。裁判の一審二審で有罪判決を受けた。しかし、捜査にあたった東京地検特捜部が「重視」していた、〝戦後最大のフィクサー〟児玉誉士夫のルートは解明されなかった。児玉が知っているとみられた21億円もの巨額のカネの行方は闇に葬られたのである。

果たして、ロッキード事件の「全貌」とはどのようなものだったのか? 事件の実相を知るための第一級の資料が次々に発掘されている。NHKは、特捜部の極秘ファイルや関係者たちの証言をもとに、数奇な展開をたどった事件の詳細な舞台裏を映像化。捜査の指揮を執った故・吉永祐介主任検事らの姿などを、実録ドラマでよみがえらせていく。さらに、アメリカ側から発掘された内部資料や、元米政府中枢への取材から、冷戦時、アメリカの世界戦略の中において、ロッキード事件が果たした知られざる役割、歴史的スクープをドキュメンタリーで浮かび上がらせる。

先の会見で松重は、「実録もの、ノンフィクションというものを演じるっていうことは、俳優としても相当覚悟を決めなきゃいけない訳で、特にこの事件に関しては、本当に身の引き締まる思いでやっていました。石橋凌さんとは、ふだん仲良くさせていただいているのですが、現場では田中角栄にしか見えなくて、恐ろしくて撮影の合間にもお話ができなかったくらい、そのくらい役者にいろんなものをひょう依させて、すごいものができたなという感覚がありました。それで当時の映像と僕らの演技がなんとなくシンクロしてシームレスに見えてくる瞬間は鳥肌がたちまして。これはふだんのドラマとは全く違う経験ができたなと思いました」と明かしている。

また、石橋は、「当時私は、もうバンドをやっていまして、この事件が起きたあとには、ある歌で“政治屋は飛行機眺め落花生の皮を剥く”という歌詞を歌ってました。(笑)まさか自分が田中角栄を後にやるとは露とも知らずに。今回、役作りでいろんな本を読みましたが、人物としての魅力は本当にすごい人。またこのロッキード事件というは、知れば知るほど、いろいろ深い闇があるんだなと、こういうドキュメンタリードラマに参加して改めて思いました」と語った。

【放送予定】
●NHKスペシャル 版 ※役の肩書きは当時
7月23日(土)19:30~20:43 実録ドラマ 特捜部極秘ファイル(前編)
7月23日(土)21:00~21:58 実録ドラマ 特捜部極秘ファイル(後編)
7月24日(日)21:00~21:58 ドキュメント 40年目・衝撃のスクープ

●BS1スペシャル 版
9月24日(土)19:00~19:55 前編
9月24日(土)20:00~20:55 後編

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