韓国のカワウソが絶滅の危機から奇跡的に復活した理由は?

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日本国内の身近な自然から、世界各地の未知の自然まで実に様々な物語をお届けする人気自然番組『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』(NHK総合 毎週日曜19:30)。1月24日は、「韓国のカワウソ 大復活の秘密!」を放送する。

数十年前まで日本各地の水辺にも生息していたカワウソだが、乱獲や環境の悪化で数が激減し、2012年に国によって絶滅が宣言された。しかし、隣の国・韓国では絶滅の危機に瀕していたカワウソが奇跡的に復活を遂げているという。近年は大都市プサンの川で発見されたり、地下鉄の駅に迷い込んだりと人の暮らしのすぐそばでも目撃が相次いでいる。

復活の秘密を探ろうと取材班が向かったのは、韓国南部のダム湖・ジニャン湖。カワウソが20匹以上暮らす韓国屈指の生息地だ。ジニャン湖は食べ物となる魚が豊富な上、断崖になった岸辺は人を容易に寄せ付けず体を休めるのにも好都合、カワウソの格好の住処なのだ。

韓国のカワウソは、1965年頃から始まった高度経済成長期の川の環境悪化で数を減らしたが、ジニャン湖を始めとした「避難所」となる場所へ逃げ込む事で絶滅を免れたと考えられている。その後、世界的に環境問題への意識が高まると、韓国でも川の環境が改善。カワウソは再び川に分布を広げ、全土に復活したという。さらに観察を続けると、復活のもう一つのカギとなるカワウソの行動を目撃した。ジニャン湖のカワウソ達が湖の南岸にあるダムの壁を登り、湖から流れ出す川へと向かっていったのだ。目的は魚を獲るため。この湖では水量調節のため川に流れ出す水を毎晩のように止める。そのため、川原のくぼ地にできた水たまりに魚が集まり、狩りがしやすいという利点があった。

ここでは母親のカワウソが子どもに魚を捕る練習をさせる様子も見られる。人の作った環境を巧みに利用できるこうした適応力の高さもカワウソ復活の理由のひとつなのだ。私たちの想像以上にたくましい動物カワウソ。その真の姿に迫る!

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