オーストラリアの不思議な自然、草原地帯にそびえる巨大な塔の正体は?

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常に世界中の生きものたちの最新情報を収集しながら、未知で驚きの新伝説を発掘する番組『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』(毎週日曜 総合19時30分~20時)。10月25日は、「大自然に立ち向かえ!謎の大聖堂」を放送する。

今回の舞台は、不思議な光景が広がるオーストラリア北部。熱帯の草原地帯に、高さ6メートルもある巨大な土の塔がいくつもそびえているのだ。その独特な姿は、ヨーロッパの“大聖堂”にも例えられている。塔の作者は、わずか5㍉ほどの小さなシロアリで、その名も、セイドウシロアリという。“大聖堂”は、シロアリが暮らす「アリ塚」なのだ。シロアリと聞くと、家を壊す害虫というイメージがあるが、このセイドウシロアリは全く違う暮らしをしており、家に害を及ぼすことはない。

巨大なアリ塚の建築を担うのは、“働きシロアリ”だ。夜な夜な塚の外に出てきては、土と唾液を混ぜた材料を使い、増築工事に励む。その周りでは“兵隊シロアリ”が常に待機し、アリなど天敵の接近に備える。さらに、アリ塚の内部は、無数の細かい部屋に分かれている。塚の上部にある部屋は、シロアリたちの食料である枯れ草の貯蔵庫。塚の中央部、もっとも大きな範囲を占めるているのは働きシロアリと兵隊シロアリたちの部屋。そして、幼虫や王と女王の部屋は、丈夫な塚の下部に位置している。大きなアリ塚には300万匹ものシロアリが暮らし、50年以上にわたって使われ続けるものもある。

セイドウシロアリは巨大なアリ塚をとりでにし、乾季の暑さや火事、雨季の豪雨など大自然の猛威に立ち向かう。さらに、大群で攻めてくる強敵ツムギアリに対しては、兵隊シロアリと働きシロアリの連係プレーで対抗する。小さなシロアリたちが見事な知恵と団結力を武器に大自然を生き抜くさまを見れば、シロアリに対するイメージが覆されることだろう。

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