江本孟紀、暴言で現役引退…『しくじり先生』で明かされた“本当の理由”に驚き

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野球解説者の江本孟紀が、4月30日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系列、毎週日曜21:58~)に“上司にたてついて夢を諦めた先生”として登場。阪神時代に「ベンチがアホやから」と監督に暴言を吐き、現役引退をした江本だが、その怒りの本当の理由が語られる一幕があり、スタジオをざわつかせた。

現在、野球評論だけでなく、「高知ファイティングドックス」の総監督を務める江本は、1971年から81年まで投手としてプロ野球界で活躍。引退後の著書「プロ野球を10倍楽しく見る方法」がシリーズ累計380万部のベストセラーとなったことでも知られているが、現役時代は、絶対的な存在である監督に対して暴言を吐きまくってきたプロ野球界の超問題児で、34歳の時、江本は「ベンチがアホやから野球ができへん!」と監督に向かって言ったことがきっかけで、シーズン途中で現役引退。そして、無職無収入になってしまったことを明かした。

今回の授業では、そんな暴言によって小さな頃からの夢だった野球人生を終わらせてしまった江本が、“エモヤン流 嫌いな上司と10倍楽しく付き合う方法”をテーマに実施。監督と言えば、会社でいうと上司にあたるが、江本はまず、世間一般のデータ「上司とケンカをしたことがある人=33.6%」を紹介し、およそ3人に1人が上司とケンカをしていること説明し、悩んでいる人も多いのではないかと授業を進めた。

江本は、法政大学時代から監督とケンカをしていた話を披露。その監督は「口答えは許さないワンマン上司」タイプだったようで、あるとき、自分の後ろに監督が立っていたことを知らず、監督に対して暴言を。その後、大学の宿舎に即座に帰らされ、江本はこの事件から学んだ教訓として「陰口は必ずバレる」と力説し、バレるのであるならば「目の前で堂々と言った方がいい」と。後日、その教訓を活かし、監督に直接「いい加減にせえわ! おんどれ!」と直接言ってしまったこともあり、この2つの暴言によって試合から干されるように……。結果、プロになるという夢があったにも関わらず、「ドラフト」からの遠のいたことを話した。

プロ野球への道が絶たれた江本は、社会人野球へ進み、2年後の24歳の時に、ドラフト圏外でプロ野球へ入団。しかし、全く反省をしていなかった江本は、その後もしくじりを重ねていった。南海ホークスの監督(当時、野村克也)との事件では、野村監督は「話を聞いてくれる理論派上司」で、江本の性格を知って“褒めて伸ばす”“全員にチャンスを与える”という指導法だったようで、野村監督も江本を「俺の言うとおりやれば、お前は10勝できる」と太鼓判を押していた、と。江本はこの年に16勝をあげ、なぜかここで大谷翔平を引き合いに出し、「彼は去年10勝」と自身の凄さを強調。生徒からもツッコまれ、笑いを誘っていた。

しかし、野村監督の“やんちゃ”な私生活が原因で、球場にはマスコミが殺到し、2人の関係は悪化。その時、28歳だった江本は、後輩から「監督になんか言って下さい!」と言われ、大学時代の失敗が頭をよぎったと話ながらも監督に直接「チームのムードが悪いのは、あんたのせいや!」と発言。その後日、阪神タイガースの江夏豊とトレードされることになった、と説明した。このことから江本は「上司のプライベートを突いてはいけない」と教訓を。

その後、江本が阪神に入団。監督は6年で4人も替わったらしく、4人目の監督(当時、中西太)と球界の歴史の残る騒動を起こしたと続けた。それが、暴言によって現役引退をすることになったあの事件。監督は「決断力がない! 優柔不断上司」タイプだったらしく江本も苦手意識があったのか、「(相手を)嫌いだと思っていることは相手にも伝わる」もので「“嫌い”という思いは必ず両思いになる」と。この話を踏まえ、その監督との間にあった数々の事件を告白し、今思えば当時、監督は若手を育成してチームの底力を上げていきたらしく、その理由を述べないままベテランを使わなかったことで、江本は、いろいろ不満が溜まっていた、とも。そして、甲子園球場でのヤクルト戦。ピッチャーは江本。8回の表で、ヤクルト2点、阪神4点のリードだったが、一打同点のピンチを迎え、悩んだ末に監督の指示を確認しようとベンチを見るも、監督の姿無しというありえない状況に……。指示がないまま、投げたボールはヤクルトのヒットに繋がって同点に。そこで、江本の怒りが爆発し、ベンチに向かってグローブを投げつけ、番組ではその時の写真も紹介された。

当時、「8回で江本は限界だった」などニュースでも取り上げられたが、江本は「あの場面が監督の采配の見せどころだった」と。実際は「何の指示もなかったこと」が江本の本当の怒りの原因だったらしく、初めて語られる理由にスタジオをざわつかせた。また、江本はこの日、ロッカーへ向かう途中に「ベンチがアホ」発言を記者の前で言ってしまい、球団側からは謹慎処分がくだされるも、それを頑なに拒否。結果現役を引退することとなった。この“しくじり”から学んだ教訓として「仕事を捨ててまで言うほどの怒りなのか? 最後にもう一度考えてみよう!」。そして、嫌いな監督の駄目な所ばかり見てしまうことがあった、人を見る目が一方通行だったと、江本は振り返りながら「上司の弱点をみんなで補い合う」ことも大切と述べ、嫌いな上司と付き合うには「嫌いな上司ほど、自分から挨拶に行こう」と教訓を。その理由を江本は、「上司の方も嫌われていることは気にしているんですよ。(相手もこちらに対して)嫌がっている部分があるだけに、嬉しくなる」。実際江本は、上記であがった人たちとは仲良くやっていると話ていた。そんな江本の授業に対し、ネット上では「上司との関係に嫌な思いをしている新社会人にとって重要やな」「深いなぁ~」「教訓が考えさせられる……」「極意とてもよく解る」と反響だった。

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