鈴木京香、藤原竜也と13年ぶりの共演に「役を伝える集中力が流石」

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4月2日(日)に放送されるドラマスペシャル『人間の証明』(テレビ朝日系列、21:00~)で、鈴木京香さんが、藤原竜也さんと大河ドラマ以来13年ぶりの共演。この撮影を終えてまもなく、鈴木さんにインタビュー。藤原さんの印象や、ご自身の役柄、作品の見どころなどについて存分に語っていただきました。

この作品は、日本を代表するミステリー作家の森村誠一が1976年に発表し、翌1977年には岡田茉莉子と松田優作の主演で映画が大ヒット。40年経った今、豪華キャストを迎えてドラマ化され復活。これまで設定等を変え、ドラマ化が幾度も重ねられてきたが、今回は原作に忠実に「終戦直後から1970年代の昭和」を背景として、普遍的な訴求力に富むストーリーの映像化に挑んでいる。

1977年に公開された映画では、劇中での「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」という西條八十の詩のインパクトが鮮烈に残っているが、森村氏もこの詩にインスパイアされ執筆を始めたと述べている通り、原作に通底している大きな核のひとつは「母性」であり、その「母性」への郷愁だ。そして主人公は、母親に捨てられた過去を持ち「母性」に対する不信を抱く棟居刑事と、家庭や地位、名声を守るために「母性」を捨てた美容家の八杉恭子。かつて映画で松田優作と岡田茉莉子が演じたこの役に、今回は藤原と鈴木が挑む。

――藤原さんとの久々の共演はいかがでしたか?

以前、御一緒した大河ドラマ『新選組!』(2004年)のキャストは仲が良くて、実は、毎年忘年会をしています。私はそこまで参加できていないのですが、それ以外にも藤原さんの舞台も拝見したりしますので、そんなに久しぶりという感覚ではありませんでしたが、改めて演技が上手で、全力でお芝居をする方だと思いました。舞台でもお芝居を見させていただいてもそうですし、今回も台詞を通して役を伝える集中力というのでしょうか。それがやはり流石だなと。彼(棟居刑事)の気持ちも伝えるし、私(恭子)のこともよく見てくれているし、お互いに相手のことをしっかり見ながら、役同士でしっかりやり取りできた実感があります。

――八杉恭子は“女優だったら誰もがやりたい役”と言っていましたが、演じてみていかがでしたか?

八杉恭子という女性の“強さ”を凄く感じていましたので、役の大きさということでは、凄く難しそうな役だなと思いました。また、過去に他の方が演じた役を演じることで比較されるとしても、プレッシャーには感じませんでした。逆に嬉しいですね。自分が見たときに素敵だなと思った女優さんと比較されることはある意味光栄で、八杉恭子についても同じです。また、あの役を演じられるという幸運みたいなものもひしひしと感じました。

――原作がある作品に出演することについては?

楽しいです。原作があるとキャラクターがはっきりしているので、役を掴みやすいのですが、その反面、確固たるファンの方もいてイメージと違うと言われるかもしれませんから、嬉しくもあり大変でもあります。でも私は、自分が読んで面白かったお話を演れるのは嬉しいです。オリジナルの作品で、私をイメージして書いてくださった役というのもとても有り難いのですが、意外に難しかったりすることもあります。原作の役を目指していくのは、自分の努力でいかようにもなるような気がしていまして、似せていく努力とか近づける努力というのは、私にとって意外と楽しい作業で苦ではないんです。

――これまで様々な方が演じた八杉恭子、鈴木さんはどのように演じようと?

八杉恭子は、有名な美容家。現代の世の中においてもものすごく能力がある人じゃないと成功できないような業界。その難しい事業を昭和の先行からコツコツとやり遂げようとする女性ですので、才覚のある人だと思いました。ですので、知性をしっかり打ち出していかないといけない。実際に美容業界で皆さんから一目置かれ、これからもっと成功するであろう思われるような存在ですので、年齢なりに貫禄のある女性としてや演りたいなと思い、普段の自分よりももっと落ち着いて賢い人に見えるように演じました。現場でもそうした女性でいられるよう心掛けていました。

――「終戦直後から1970年代の昭和」が舞台。撮影のセットや美術をご覧になって印象は?

京都の撮影所で撮影したのですが、撮影で使う小道具が本当に時代を経てそのまま残されていたのには驚きました。劇中、私がみすぼらしくなった自分の髪の毛を切ろうとはさみを買うのですが、現場には色々な時代のはさみがたくさん並んでいて、その中で恭子が手にするようなイメージ通りのはさみがちゃんとありまして、本当にさすがだなと感動しました。

――現代に通じるものなど、何か感じるものはありましたか?

肉親に対する想いでしょうか。自分の親だから子だから愛も深い。しかし、親だからこそ、子だからこそ恐ろしかったり、憎しみのようなものを抱いたりすることがある、というのはギリシャ神話の頃からずっと同じ。自分の分身に対する愛情のかけかたってとってもドラマを生むし、そういう意味ではテーマとして過去でも今でも同じだと思います。現代人の特色がこうだということではなくて、過去でも今でも、家族に対する想いというのはドラマになるすごく大きなテーマなんでしょうね。自分の血を分けた者との関わりというのは、深いドラマを描けるものなんだと、このドラマを演じさせてもらって改めて感じました。

――そういった作品を現代に届けられることについては?

やはり、八杉恭子の生きる力は、今の私たちが見るととっても興味深く映るはずです。戦後、必死で生きることのすさまじさや、思いを遂げるまでの意志の強さは、今の私たちにとっては驚きに感じますし、良くも悪くも強い印象を持ってもらえると思います。

――最後に、メッセージ!

撮影は12月の冬の京都。大変なこともありましたが、現場はとてもスムーズに進みまして「こんなにも仕上がりが楽しみな作品はなかなかないね」と藤原さんとも話しています。とても骨太な面白いドラマになっていると思いますので、皆さんに観ていただきたいですし、私も本当に楽しみです。

[衣装]ネックレス、リング・・・CASUCA(問い合わせ:03-5759-3309)

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