菅田将暉、本当の“変身”は「間違いなくこの『民王』がきっかけ!」

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4月15日、22日の2週にわたって復活する『民王』(テレビ朝日系列)。15日には連続ドラマ『民王』(原作・池井戸潤[文春文庫])の“その後”を描いた『民王スペシャル~新たなる陰謀~』が、そして22日には連ドラの“その前”を描いた『民王スピンオフ~恋する総裁選~』が放送される。

本作は、現職総理大臣である父・武藤泰山(遠藤憲一)と大学生でバカ息子・翔(菅田将暉)の心と体が入れ替わってしまうという異色の政治エンターテインメント作品。実在の元総理たちを連想させる内容も散りばめられ、その斬新な内容もさることながら、遠藤と菅田の卓越した“入れ替わり演技”と、高橋一生、金田明夫ら俳優陣の秀逸な会話劇などで人気を呼び、第1回コンフィデンスアワード・ドラマ賞や第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞、放送批評懇談会ギャラクシー賞・2015年9月度月間賞など、数々の賞を受賞している。

放送終了後も、視聴者から続編を望む声が多く、ファン待望の復活となる。早くもネット上では「民王、帰ってくる!」「楽しみすぎるーっっ!」「やったー!」「『民王』に拍手!」と喜びの声が相次ぎ、期待が高まっている中、遠藤さんと“絶妙な入れ替わり”演技を披露した菅田さんにインタービュー。この模様は、前編・後編と2日に渡って掲載。前編では、7月に放送されたレギュラー放送を振り返りながら、その時の反響や舞台裏での貴重なエピソード、また『民王』に出演した“前と後での違い”などついてお話しいただきました。

――ズバリ! 復活を聞いた時の心境は?

(レギュラー放送で)7月期のドラマだったのですが、8月中盤ぐらいには撮影が終わるという……。とにかく、早い現場だったので、集まればすぐ撮れるよねっていう雰囲気で終わりを迎えました。特にキャスト陣は、「いつでもやりたい。次は、いつですか?」というような気持ちでしたので、スピンオフが決まった時は、僕自身も『民王』ファンとして、すごくハッピーでした。

――『民王』の反響について

お陰様で、とても沢山の方が見てくださって、思っていたより『民王』という作品を受け入れてもらったという印象が凄くあります。僕個人としても作品の中に入りやすかったですし、物語としてもいくらでも“作り込んでいける”余地がある作品でしたので、今回の復活は凄く嬉しいですね。

――周りからどんな“反応”が?

今まで声をかけてもらったことがないような人たちから“見たよ”と言われることが多くなりました。例えば、父親の友人やビジネスマンの方……。この作品は、僕が、今までやってきていないテイストの作品でもあり、社会に出て働いている人からすると、クスッっと笑えてしまうような風刺も入っていますので、そこも楽しんでいただけた理由のひとつなのかもしれません。僕の何倍も生きてらっしゃるような人生の先輩たちから「民王、笑ったよ!」と言われたのはすごく嬉しかったですし、新鮮でした。かと思えば、意外とちびっ子からの反応も結構ありまして、海外のコメディと要素に似たところがあったからかなと思っています。内容がわからなくてもテンポや表情で笑えるので、そこがちびっ子にも伝わっていたのは、すごく嬉しかったです。

――『民王』出演の前と後で変わったことは?

僕は、このテレビ朝日さんの『仮面ライダーW』(平成仮面ライダーシリーズ第11作目)でドラマデビューしました。個人的な思いとして、『民王』は、それ以来のテレビ朝日さんでの主演ドラマです。それ以降、『死神くん』(テレビ朝日系列)や『ちゃんぽん食べたか』(NHK総合)という作品にも出演させていただきましたが、それとは別に、連ドラの主役というのがライダー以来。しかも、『ライダー』と同じバディものの作品ということで、すごく縁を感じました。また、遠藤さんの力を借りて、二人で『民王』という作品で、なにか一つの新しいジャンルのようなものを作れたような気がしていまして、この作品に関われたことはめちゃくちゃ嬉しかったです。2016年のエランドール賞をいただきまして、“違い”があるとすれば、間違いなくこの『民王』がきっかけです。

――今回、久々の“入れ替わり”ですが演じてみての感想は?

メンタルはスッと中身を泰山にもっていくことはできたのですが、体はビックリしていました。泰山は、もの凄く表情筋を使うのですが(笑)、撮影初日からいきなり翔くんから泰山に入れ替わるシーンがありまして、バーンと叫んだら……。顎が外れてしまうようなことはなかったのですが、カットの瞬間「あぁ……」って脱力してしまう感じに。収録後は、もの凄く寝良く眠れました(笑)。

――泰山のエネルギー消費は凄いんですね!

そうですね。泰山は内閣総理大臣で、イメージとしては、まさに戦国武将のような振る舞いっていうのを目標にやっていたので、その雰囲気を、ごく普通の22歳がやろうと思うと、結構大変でした。

――(中身が)泰山を演じる上で楽しいことは?

色々ありますが“パパ目線みたいな言葉”です。喋っていると、どんどん話が大きくなり、急に国とかの話になってしまったりしますが、間違ったことは言っていないので、その感じが好きなんです。説教というわけではなくて、自分の思いをこんなにもロマンチックに言える人ってなかなかいないので、そこは毎回快感です。

――泰山の魅力とは?

僕もそんなに長く生きていないはずなのに、すごく共感できるところが沢山あります。僕らの世代でも、もっと父や祖父の世代でもそうですが、“みんな”の心の奥にある、真っ直ぐな声を代弁して言っているようなところが魅力的です。しかも、意外とみんなが思っていたりすることを、中身は泰山ですが、見た目は翔という若造が、“刺さる言葉”を言うので、僕自身も貴重な体験をさせてもらってます。

>後半へ(4月15日掲載)

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