構想に3年!内野聖陽、元エリート銀行マンのトラックドライバーに!

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俳優の内野聖陽が、10月11日(日)に放送されるドラマスペシャル『ザ・ドライバー』(テレビ朝日系列、21:00~23:10)で主演し、元エリート銀行マンのトラックドライバーという型破りなキャラクターに挑戦することがわかった。『臨場」(テレビ朝日系列)、『とんび』(TBS系列)などのヒット作品で個性的なキャラクターを演じてきた内野だが、本作では、元エリート銀行マンのトラックドライバーという役柄で、一人の少女との心の交流、巨悪との対決を通して、ある家族の再生を描く。

内野が扮する主人公は、“上(じょう)さん”こと近衛上一郎。元エリート銀行マンで、曲がったことを嫌い、つい正論を振りかざしてしまう性格が災いし、サラリーマン生活を全うすることが出来なかった。とはいえ、トラックドライバーとなってもワイシャツにネクタイという銀行マン風のいでたちは健在。相棒の田畑公平(塚本高史)とともにトラックを運転し、日々京都の料亭に食材を搬入する。

上一郎のモットーは、元銀行マンらしく「契約で決められた新鮮な品を契約した期日までに届ける」こと。頑固なまでに自らの仕事を正確にやり抜く姿勢は、相棒の公平を辟易とさせるが、2人は固い絆で結ばれている。そんなトラックドライバーを主人公にしたドラマだが、実は、内野がプロデューサーと話しているときに案が生まれ、内野の話からドラマとして完成させるまで、実に3年の月日を要したという。

上一郎が勤務するのは、京都の元芸妓で置屋の女将・並子(若村麻由美)が社長を務める一風変わった運送会社「舞妓トラック株式会社」。並子は、男勝りな性格で、上一郎でさえ、黙らせるほどの強烈な物言いでドライバーの男たちや事務所に出入りする舞妓、芸妓を巧みにさばくも、彼らからは厚い信頼を得ている。内野は、そんな並子を演じる若村に対し、「若村さんは京都弁も勉強してくださったので、僕らははんなりといじめられている」と笑顔で話す。並子のもとで、なぜ元銀行マンの上一郎がトラックドライバーとして働くようになったのか。二人の意外な関係も、気になるところだ。

前述の通り、本作のテーマは“家族の再生”。上一郎と公平のコンビがひょんなことから両親を探す少女・結衣(渡邉このみ)と出会うところから始まる。何の因果か、結衣の両親を探して京都から一路、宮城県気仙沼へとトラックを走らせる上一郎と公平。その気仙沼で、結衣が通っていた保育園の美しい保育士・玲奈(南沢奈央)に心惹かれてしまう上一郎。“酒に酔うと感情丸出しのバカ男になる”という単純な性格を公平によって巧みに利用され、イヤイヤだったはずの少女の母親を探す“仕事”を引き受けてしまう。やがて京都で母親を見つける上一郎だが、そこには少女を孤独な境遇へと追いやった複雑な家族の事情が隠されていた。

ストーリーは、2005年に『電車男』でデビュー。『BOSS』、『海の上の診療所』、『水球ヤンキース』など、数々の話題作を手がけてきた徳永友一のオリジナル脚本で、このほか、ホステスで結衣の母親・涼子に中越典子、北村有起哉、中村俊介、ベテランの平幹二朗が重厚な演技で作品に厚みを加える。

プロデューサーとの話から案が生まれたという本作だが、その時を内野はこう振り返る。「そもそも僕がプロデューサーに、2人のトラック運転手が車の中でアホトークをし、そこに時々追憶劇がたまに入ってくる、みたいな話って面白いんじゃない? と無責任に言ったことが始まりだったんです。そんな何気ない話を、プロデューサーが徳永友一さんという素晴らしい脚本家を見つけてきて膨らませて下さり、当初の企画とは思いもよらないモノになって返してきた。これはしっかりやらなくちゃ、と思いましたね(笑)」と。

また、今回演じる上一郎というキャラクターについては、「映画『トラック野郎シリーズ』に登場するトラック運転手とは違うイメージのキャラクターで攻めたい、という思いがあったんです。それを作家さんが“元銀行マンのトラック運転手”という形に膨らませてくださいました。へ理屈ばかりの堅物、外見はクールだけど内実はすごく温かい、いわゆるツンデレみたいな男が面白いんじゃないか、と話していたら、その通りになっていまして、これまでにない人情悲喜劇が作れるんじゃないかと思って演じさせていただいています」。

上一郎は、銀行マンでエリートだった人が苦渋を味わい退職を余儀なくされ、最後は並子の運送会社に拾われたという設定。これに対し内野は、「“没落エリート”とイメージして演じました。無精ヒゲも生やしているんですが、でも銀行員時代に未練がある男にしたいと思い、きちんとネクタイにスーツを着る。そんな格好の運転手というギャップが面白いという思いもあった。ただ、理屈っぽい男なのでマッチョな内野が出ないように注意しました」と笑顔で語っている。

そして、“家族の再生”をテーマに描かれる本作。内野は「このドラマの核になるのは、“家族”。離れ離れになっていた家族が再生する物語。ほっこりとした人情話のような部分があって、家族の話として見られるところがみどころで、このドラマのツボではないかと思います。人が人の気持ちを感じて動いていく姿を描く作品は、今なかなかないですし、シンプルなものだけが人の心を動かすのではないか、と思えるドラマ。家族で気楽に見られるようなあったかい作品になっていたらうれしい」と語っている。

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