ピアニストの辻井伸行、“葉加瀬太郎”をイメージした即興曲をサプライズ演奏

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世界を舞台に活躍するヴァイオリニストの葉加瀬太郎とピアニストの辻井伸行が、9月28日(月)に3時間SPで放送される『Qさま!!』(テレビ朝日系列、19:00~21:48)でテレビ初共演する。さらに、この番組内で、辻井は葉加瀬をイメージした即興曲を披露。葉加瀬も「僕の爽やかな部分を曲にしてくれました」と感想を語っている。

『Qさま!! presents 世界の音楽偉人ミステリー30連発!葉加瀬太郎の「音楽ハカセ」3時間SP』と銘打って放送される今回、葉加瀬は、日本のスゴイ音楽家を紹介するというコーナーで、辻井の経歴を映像とともに振り返りながら彼の“スゴさ”を紹介していく。

辻井は3年前、葉加瀬のラジオ番組に出演したことはあったが、TVで葉加瀬と共演するのは今回が初となる。辻井がTV出演を決めたのは、「大先輩である音楽家・葉加瀬を尊敬していたこと」が一つの理由だが、もう一つは、辻井を高く評価したヴァン・クライバーン氏の言葉にあった。ヴァン氏は、かつてこの世を去る前に辻井に「クラシック音楽に関心がない方々にもコンサート会場に足を運んでもらえるような、そんな人間的にも音楽的にも魅力ある演奏家になりなさい」と告げており、今回の番組コンセプトにもマッチしていたのも大きなところ。

これについて、葉加瀬も「僕も辻井君も同じ思いだと思いますが、多くの人にクラシックの世界にいる人たちの演奏、芸術を楽しんでもらいたいと思っています」と同様の考えを持っており、「僕はその窓口になる、という使命感を持っています。だから今回、クイズ番組である『Qさま!!音楽ハカセ』のように少し形を変えてでもクラシックに興味を持つきっかけになってくれれば、僕は本当にうれしいですね」と話す。クラシックというと、格調が高くて堅苦しいイメージがある人も多いが、辻井は「少しでもリラックスして、楽しんで聴いていただきたい。この番組で少しでもクラシックに興味を持っていただいて、僕やいろんな音楽家のコンサートにも来ていただきたいですね」と語っている。

19歳でCDデビューした辻井だが、「貫録がすごいですよね」と絶賛する葉加瀬は、その理由に、「デビューした時にはすでに演奏家として完成されていましたが、自らの演奏でお客さんを楽しませる、それを仕事として毎晩こなすとなるとプロとしての意識が違ってくるんです。そういう意味では、まだ若いですが、(辻井君は)自信が年々増してきているのではないか」と。

そんな辻井の“スゴさ”を今回掘り下げて紹介していくのだが、番組では、辻井の幼少の天才ぶりが垣間見られるVTRなどが紹介される。例えば、2歳7カ月で母親が歌う「ドレミの歌」に合わせて、おもちゃのピアノをみごとに演奏している様子や、小学生の頃の「運命を変えた」という恩師・川上昌裕先生とのレッスン風景VTRも含め、さまざまなコンクールでの優勝エピソードも映像と共に紹介。

さらに、葉加瀬がインタビュアーとなって、辻井の名を一躍世界中に広めた「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で優勝した際に演奏した「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」にまつわる秘密も聞き出し、辻井が「課題曲の中でもあえて難易度の高い曲を選択した理由」を探る。

そして、辻井がCDデビューをした際、葉加瀬同様、自らも曲を作り、デビューCDにはオリジナル曲も入れており、「近年顕著な、クラシック音楽家がオリジナル作曲する動きはすごくいいこと」という葉加瀬に対し、辻井は「子供の頃はウチにきたお客さんをイメージした曲を即興で作ったりしていたんですが、今日はサプライズで葉加瀬さんをイメージした曲を演奏します!」と宣言して、サプライズで即興曲を披露する。

最後は葉加瀬のリクエストで、リスト作曲の難易度の高い曲「ラ・カンパネラ」を辻井が披露するという一幕もあり、二人の世界的音楽家のテレビ初共演が締めくくられた。

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