『題名のない音楽会』新旧司会の佐渡と五嶋が固い握手

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今年9月で、『題名のない音楽会』(テレビ朝日系列、毎週日曜あさ9:00~)の司会を卒業する佐渡裕と、その佐渡からバトンタッチして10月から新たな司会に就任する若き天才ヴァイオリニストの五嶋龍が30日、東京オペラシティにて行われた会見に揃って出席した。

7年半番組司会を務めた佐渡。今年9月からはオーストリアの名門、トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任し、本場ヨーロッパでの指揮活動に専念する。約1ヶ月後に番組司会の卒業を控え、「長い月日だった。ずっと見ていたオペラシティの舞台裏が、今日だけは違って見えます」と感慨深げに語り、卒業の経緯について、「急にスケジュールが過密になるというわけではないのですが、この9月からオーストリアの方に定期的に行くことになるので、これを機会に卒業させていただくことになりました」と報告した。

7年半を振り返り、「(視聴者の皆さんから)指揮者の佐渡裕としてではなく、司会者として声をかけていただくことも多くなり、本当に貴重な時間を過ごさせていただきました」と。最後の収録が8月の終わりにあり、「最後まで頑張って努めて、龍くんにバトンタッチしたいなと思います」と笑顔を見せた。

その佐渡から司会を引き継ぐ五嶋は、「歴史ある『題名のない音楽会』の司会ということと、佐渡大先輩の後をやるということで、すごくプレッシャーを感じます。今までのファンの方も逃がさず、新しいファンにも寄せていきたい。これからいろんなテーマ、マイエピソードを紹介していくと思いますが、みんなと一緒に楽しんでフォーカスの強いものを作っていきたい」と意気込んだ。

現在27歳の五嶋。デビューを飾ったのは7歳のときのこと。その記念すべき舞台で共演のオーケストラを指揮したのは、現司会者の佐渡だった。会場にはその時の写真が披露され、佐渡は、「これは95年の札幌のPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)で、超絶技巧の難しい曲を演奏した時のだね。世界中のオーディションで選ばれた100名くらいのオーケストラ。だいたい20歳くらいのメンバーの中に、龍くんがやってきまして、小さなバイオリンで弾くのですが、みんながもうバイオリン止めようかなっていう顔をしていたのを今でも覚えています。“新鋭が現る”とはこういうことをいうんだと思いましたね」と懐かしんだ。

実は、新司会者としてすでに4回分の収録を終えている五嶋。収録を振り返り、「毎回、いろんなアーティストの方が来ます。こんな機会って無いので、僕の勉強にもなります。また、そういった方々との出会いで、音楽の、芸術のネットワークを作っていけるのはラッキーなこと。たった4回ですけど、それを感じさせていただきました。妄想かもしれませんが、自分の音楽も豊かになったんじゃないかなと思います」と感想を語り、今後については、「(番組の)ターゲット・マーケットとしては、クラシックを全く知らない方から通な方まで全エイジです。大きなストーリーを作りたいなと思っています」と意気込み、佐渡とかたい握手を交わした。

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