全英終幕、歴史的な死闘をザック・ジョンソンが制す

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第144回全英オープンゴルフ(セントアンドリュース・オールドコース)は現地20日、第4ラウンドの競技が行われ、3選手によるプレーオフという激闘をザック・ジョンソンが制して全英初制覇。2007年のマスターズ以来となる自身2つ目のメジャータイトルを手にした。

この日のラウンドの早い段階で松山英樹のメジャー制覇は至難になったが、それでも見所は十分すぎるほどだった。まず抜け出したのは伏兵のマーク・リーシュマン。首位と3打差からのスタートながら、3番から5番まで3連続バーディを奪うなど序盤から加速し、12番で通算16アンダーまでスコアを伸ばして単独首位に浮上する。

このリーシュマンを、メジャー3連勝を狙うジョーダン・スピースや同組のジェイソン・デイ、最終組のルイ・ウーストヘイゼン、そしてジョンソンが追う展開。ジョンソンは最難関の17番でボギーを叩いて通算14アンダーに後退し、優勝争いから脱落したかに思われたが、最終18番で渾身のバーディパットを決めて生き残った。一方のリーシュマンは16番でバンカーからのリカバリーに成功しながらも、短いパーパットを外して痛恨のボギー。こちらも通算15アンダーでのフィニッシュとなる。

こうなると、俄然注目が集まるのは1打差のスピース。難コースの16番で長い長いバーディパットを沈めトップに並んだスピースだったが、17番でボギーを叩いてしまう。そして、勝負をかけた18番のセカンドは「罪の谷」と呼ばれるグリーンのこぶを上りきれず、グリーンの外へ。ここからバーディを狙った谷越えのパットは惜しくもわずかにカップの左で、スピースのメジャー3連勝の夢は費えた。

スピースと同組のデイも18番でのバーディ奪取に失敗し終戦。しかし、最終組のウーストヘイゼンは最終ホールで見事ジョンソンとリーシュマンに追いつき、この3人でのプレーオフとなった。

プレーオフでは、1ホール目でリーシュマンがボギーを叩き脱落。2ホール目でジョンソンがバーディを奪って1つ抜け出し、勝負は最終4ホール目の18番へ。ジョンソンとウーストヘイゼンが共にバーディチャンスにつけ、長めに残したジョンソンがウィニングパットに挑む。しかし、これを決めきれずウーストヘイゼンにチャンスが舞い降りた。5年前のオールドコースを制し、聖地でのディフェンディング・チャンピオンであるウーストヘイゼン。だが、このバーディトライをウーストヘイゼンが逃し、勝負が決した。

メジャー通算2勝目、初の全英優勝を成し遂げたジョンソンは「歴史の一部に名を残せてとても名誉に思っている」とコメント。その長い長い全英の歴史においても稀有な、5日間のラウンド、しかも一時は2打差に20人以上がひしめき、最後はプレーオフにまでもつれこんだ死闘の中の死闘が幕を閉じた。

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