作詞家松本隆が語るYMO「君に、胸キュン。」がオリコン2位だった理由

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作詞家の松本隆が、10月31日に放送された『トーキングフルーツ』(フジテレビ系、毎週火曜24:25~)にゲスト出演。作詞のこだわりについて語った。

松本は、惜しまれつつ解散したバンド“はっぴいえんど”の元ドラマー。その後、作詞家としてKinKi Kidsの「硝子の少年」、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」、YMOの「君に、胸キュン。」など数々のヒット曲を世に送り出している。

MCの古舘伊知郎が松本の歌詞制作について逸話を語っていると「“はっぴいえんど”は詞が先にあったからね……。でも、今の人は作り方を知らないんですよね。これは一つの大きな問題だと思う。両方できないとプロとは言えないんだけど、片方しかできない人がいる」と音楽業界の先行きを危惧した。さらに「メロディー先行は筒美京平さんが先駆けじゃないかな。ただそんな筒美京平が“松本くんの詞は曲をつけやすい”って言ってくれるわけ。だから“木綿のハンカチーフ”以降はそう(歌詞先行に)なっています」と裏話を披露した。

現在発売中のクミコの最新アルバム「デラシネ」を聴いたという古舘が「昔も今も松本隆の世界。変わってないですね。普通、諸行無常で変遷しちゃうじゃないですか」と印象を話すと松本は「今の時代は普通のものがないんですよ。だから普通の歌がないし、普通の音楽がない」と言う。さらに「じつはエッジ好きはオタクしかいないんですよ。普通の人はもっと普通の歌が聴きたい」とリスナーの思いを代弁した。

また、「僕らはヒットしてなんぼなんですけど、同じヒットをするんだったら(次の世代に)残したいなって思いもあって。残るにふさわしい作品っていうのかな……。ただ、ディレクターのオッケーをもらえば世に出るんだけど、自分が納得いかない時がある。結局は自分のために書いているみたいなところがありますよね」と思いを語った。

この他、松本が作詞を手がけたイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の「君に、胸キュン。」について触れると「細野(晴臣)さんから、今までインストゥルメンタルだったけど“今度歌を歌って1位を穫りたいんだ。松本手伝ってくれ”って(言われた)。1位になる気満々でいたら、ほぼ同時期に細野さんと松田聖子の歌を作ってたんですけど、そっちが1位になっちゃった」と当時を振り返っていた。

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