高橋大輔の本質?ゆるい雰囲気で一瞬見せた“鋭い目つき”

公開: 更新:

元フィギュアスケート日本代表の高橋大輔が、元柔道日本代表の野村忠宏がプレゼンターを務めるスポーツドキュメンタリー番組『アキレアの橋 ~2020遥かなる東京へ~』(BSフジ、9月3日19:00~)にゲスト出演。ゆるい雰囲気の高橋と、アスリート然とした野村という好対照なオリンピックメダリスト同士のスペシャル対談が実現し、収録後の取材に応じた。

昨年のリオオリンピックでフジテレビのオリンピアンキャスターとして一緒になった2人。野村は「今日は聞き手として大輔のフィギュア人生を振り返ったのですが、本音を聞けて良かった」と語り、この日は取材を受ける側となった高橋は「野村さんのインタビューが上手くてどんどん喋ってしまいました。僕も勉強しなくちゃ(笑)」と収録を終えた感想を語った。

打ち解けたムードの2人だが、今回番組では、高橋の半生をVTRで振り返りながらトークを展開。高橋は「お兄ちゃんに真面目に観られている感がすごくあった(笑)」と照れくさそうに語り、一方の野村は、高橋がコーチや家族に怒られて家出したというエピソードについて「“しっかりせえよ!”って。でも、“大ちゃん可愛い”ってファンの心をギュッと鷲づかみにすると思います」と見どころを語った。

そんな2人に共通するのが世界を相手に戦ったアスリートという点。2人は「トップに立つことが出来たのは、手を差し伸べてくれた人たちがいたから」と声を揃え、高橋が子どもの頃、地元の人々がフィギュアの活動を支えようとしてくれたというエピソードに触れ、野村は「普通はあり得ないですよね」と語り、高橋も「その時に出会ってくれた人がたくさんいたからやって来られた」と感謝の思いを伝えた。

一方で、大きく違うのはアスリートとしての振る舞い。柔道家としての道を邁進してきた野村は「自分が選んだ道で輝きたいと思った場所だから、立ち止まったり後ろに下がったりした時はあるけど、逃げられないし、逃げたくないと思っていた」と自身で語るように、世間のアスリートに対するストイックなイメージに近い存在。対して高橋はその真逆。「もちろん頑張るのですが、最終的には“選んだのはそっちやん!”と他人のせいにして自分の心を軽くする、まったく別パターンですね(笑)」と自身を分析。野村は「自分と大輔でチャレンジの仕方や競技への向き合い方は全然違ったけれど、それぞれの作り方があるということに気がつけた。自分にとって意味のある方法を見つけて、続けられた人がトップになれる」と語った。

そして「才能」の話題になると絶対に必要だと断言する2人。野村は「いつ才能が花開くかはわからない」と語り、野村自身は3歳から柔道を始めたが、奈良の県大会で優勝したのは高校3年生の時が初めてで、インターハイでは予選敗退。しかし、大学に入り勝つようになってから周囲に「天才」と呼ばれるようになったと明かし、「自分に才能があっても花開くタイミングは人それぞれ」と諦めないことの重要性を話した。また、高橋に対しても「よくそのマインドでトップになったな(笑)」とツッコミを入れつつも「リンクで勝負している表情はアスリートだから不思議。でも、それこそが魅力なのかもしれない」と話した。

そして、「アスリートとしての芯があるのでは?」と聞かれると、その意見に同意した野村は「逃げるとか好きじゃないと言いながらも、やることをやらないとチャンピオンにはなれない」と断言。高橋は「負けず嫌いです」と言って一瞬鋭い目を向け、「これが柔道だったらすぐに止めていたかもしれない。フィギュアスケートの競技性にも恵まれたのかもしれないですね」とすぐに笑顔を戻していた。

そして、来たる2020年東京オリンピックの話題に。2人は、各競技の世界大会とオリンピックは、注目度も規模も、そして、勝った後もすべてが違うと語り、受けるプレッシャーも大変なことになると予想。野村は「選手がどれだけその状況を感じるかだけど、周囲はメディアを含めてプレッシャーを作っていく。その“注目”を喜びとして感じられる選手は強いし、萎縮していく選手は弱い」と語り、「けど、こんなチャンスは二度とない」と発言。高橋も「そこで勝ったらヒーローになれる」と期待を寄せた。

今回番組では、日本の男子シングルス史上初の世界選手権優勝やGPファイナル優勝、そしてオリンピック銅メダルを獲得するなど、数々の快挙を成し遂げた高橋が、最後の五輪を目指して戦った2年間を中心に振り返っていく。4回転ジャンプの苦悩、挑戦を支え続けたチーム高橋、羽生結弦選手ら新世代の台頭、3度目となるオリンピックでの限界への挑戦。どのような思いでオリンピックを目指し、フィギュアスケートと向き合ったのか……。

また、織田信成、小塚崇彦、鈴木明子、浅田真央らフィギュアスケートの一時代を築いてきた選手たちの中心的存在だったという高橋について、同じ時代を戦った友のインタビューを交え、今だから語れる真実と、日本のフィギュアスケートの未来に迫っていく。

PICK UP