漫画家・植田まさしの美学が光る『おとぼけ課長』最終回!7年後が舞台の新連載はどうなる?

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漫画家・久保ミツロウ、エッセイスト・能町みね子、音楽プロデューサー・ヒャダインの“こじらせ系”クリエーター3人が、毒舌&妄想&本音トークを繰り広げる一風変わった文化的おしゃべりバラエティ番組『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系列、毎週土曜深夜)。6月3日の放送では、漫画『おとぼけ課長』の最終回と、その次回作の話題で盛り上がった。

最近ニュースを取り上げる「こじらせニュースまとめ」では、『かりあげクン』『コボちゃん』などでも知られる漫画家・植田まさし氏の『おとぼけ課長』が完結し、次号から7年後を舞台にした新連載が開始されるというニュースを紹介。能町は「なんなのそれ~」と困惑し、同業者である久保も「おかしいな~」と首をかしげた。さらに久保は、「7年後って何? 今まで(おとぼけ課長は)どの時空の話だったの?」と疑問を投げかけた。

そもそも『おとぼけ課長』は、いったいどんな最終回だったのか。植田まさし作品の大ファンである能町は、最終回が掲載された雑誌『まんがタイム』を手に、「まぁ読みました。なんと、普通です」と、36年にも渡る連載の最後が思った以上に普通だったことを明かした。最終回の表題は「チキン」。おとぼけ課長が禁煙スペースで煙草を吸う強面の人物に注意をし、奥さんが「思ってたよりチキンじゃないのね」と課長を再評価。その日の夕食に、“ちょっと骨のあるチキン”を出す、というもの。そして、欄外に、「おとぼけ課長は今号で最終回です」の文字。最終回であっても、いつもと同じ調子の流れに、久保も「あ~最終回としてのダイナミズムを全部放棄してあるよ~。カ・タ・ル・シ・ス」と笑いながらうつむくのだった。

しかし、能町は「これが美学ですよ」と、植田まさし氏を擁護。久保も「でも、いきなりここでカタルシス出されるよりも、こっちのほうがいい」と同調し、ヒャダインも「いや、すごいですね」と感心していた。

そして、話題は、『おとぼけ課長』の7年後を描くという新連載へ。新連載は6月7日発売の『まんがタイム』に掲載予定。久保は、「え、待って。これ7年後って、(おとぼけ課長の)子どもがただ成長するってだけ?」と疑問を投げかけ、さらに、「おとぼけ課長がちょっとシワができたり、課長から部長とかになってんのかな?」と展開を予想。能町は「島耕作パターンだ!」と、主人公の役職が変わるたびにタイトルも変わっていく漫画『課長島耕作』を引き合いに出した。

ヒャダインは、「この最終回ってことは、新作の始まり方も7年後ということすら言及しない、ゼロカタルシス」ではないかと予想。久保は同じ漫画家として「7年後の話を書くとき、一番わかりやすい形は、“7年後”って手書きで書く」と説明。能町も「そう、それはありえる」と同意していた。久保が「それがあるかどうか賭けたいね」と持ちかけると、ヒャダインは「僕は無いにベットします」と回答。久保が「私はデザイナーさんが“7年後”って入れるに賭けます」と予想すると、能町は「うーん、それもありえるな」と同意しつつ、「でも、何もなくてさらっと始まるパターンもありえますよね」と、また別の予想を立てた。

さらに、久保が、「7年後の必然性を何か考えたい」と提案し、「ずっと7年間、閉じ込められてきたとか」と、謎の設定を口にすると、能町から「なんで植田まさし先生にそんなダイナミズムを求めるの」とたしなめられていた。それでもめげない久保は「わかった! 7年後、どんなスタートになるか。海外勤務だ」と予想。能町に再度、「なんで植田まさし先生にそんな無理をさせるの」と笑いながら咎められていた。

番組では、この他に、従来の駅に新しい駅名をつける「駅名ソムリエール」のコーナーなどで盛り上がった。

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