草なぎ剛「本当に良かった」『嘘の戦争』で見えた“真実”を語る

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草なぎ剛主演のドラマ『嘘の戦争』(カンテレ・フジテレビ系列、毎週火曜21:00~)の最終話が、3月14日に15分拡大で放送。ついにクライマックスを迎える本作への思いを草なぎが語った。

本作は、30年前に家族を殺され、犯人を見たと言っても嘘つき呼ばわりされ、事件も無理心中として片付けられてしまった少年・千葉陽一が、いつしか天才詐欺師・一ノ瀬浩一となって復讐を果たしていく物語。浩一は、30年前の家族殺害犯の関係者に次々と復讐を遂げていき、事件を指示していた黒幕、ニシナコーポレーション会長の二科興三(市村正親)に近づいていく。

その過程で浩一は、興三の家族にも接近。友情が芽生えたかに思えた二科家の長男・晃(安田顕)にも復讐し、婚約した長女・楓(山本美月)にも正体を知られる。また、会社を守るために必死になって浩一と対峙する、次男で社長の隆(藤木直人)とのバトルも繰り広げられてきた。前回放送の第9話では、事件の証拠を恩人の三瓶守(大杉蓮)が隠し持っていた事実が判明。守にも復讐しようと動き出すが、そこに隠された真実を知り、浩一は守を許し、最後に興三に復讐を遂げたら相棒のハルカ(水原希子)とタイへ帰ることを決める。

草なぎは、晃との壮絶な展開について「浩一の晃に対する友情が知らず知らずに出ている感じが良かった」と振り返り、ほとんど素のような感覚で芝居をしていたと明かす。ただ、友情を感じながらも、結果的に晃に復讐したことについては「胸が痛かった」と語った。

そして、復讐を遂げていくうちに、復讐そのものに取り憑かれていくかのような表情を見せる浩一。第9話で見せた大杉漣演じる守とのシーンについては「本当に複雑な思いが絡み合っていました。親代わりの人に復讐をするという気持ちは、心に大きな圧力が掛かってきた」とコメント。最終的に浩一は、守が事件の証拠を隠し続けた理由や、その時の心情を知り復讐をやめることになったが、このシーンは、浩一の心の葛藤や変化を描く重要なシーンとなった。

守への復讐をやめるきっかけを作ったのがハルカと楓。草なぎは「浩一が嘘をつきまくっている中、彼女たちだけが浩一に真実を見せてくれている。このドラマのここが本当に大切な部分だと思う」と2人の存在の大きさについてコメント。第8話で、浩一の正体を二科家が知り、楓が涙した姿を振り返り「浩一のことを本当に好きだったんだなと思いました。僕もお芝居しているんだけど、なんて悪いことをしてしまったんだろうと思って現場から帰りたくなった。だけどこのシーンで、このドラマを撮って本当に良かったと思えた。あれは紛れもなく本当のシーンだった」と語った。

また、演じる上で浩一自身と、詐欺師としての気持ちをどのように使い分けているかという話題になると「やっていてもよくわからない部分がある」と語り、浩一の気持ちを敢えて考えずに、その場で感じたままに感情をシフトしているとコメント。それを『僕』シリーズや『銭の戦争』などで約20年にわたりタッグを組む三宅喜重監督の演出や編集によって繋がれることで、浩一という人物像が作り上げられていると明かした。

さらに草なぎは、物語の流れについても「実はツッコミどころはたくさんあるんですよ(笑)」と語り、それを感じさせないために「みんなが楽しんで、みんなで上手く“嘘のバトン”を渡し合うことができた」と、それぞれの演技や演出などによって説得力を作り出し、ドラマとして成立させていると分析した。

そして、いよいよ迎える最終話。草なぎは「『銭の戦争』の最後は、富生がお金に取り憑かれたのか、そうじゃないのかわからない感じで終わりました。今回は、復讐を果たせたでも、果たせなかったでも良いから、決着を付けて良いと思う。最終目標の興三に復讐を遂げるために立ち向かう浩一の熱量をキープして、面白いドラマにしたい」と意気込んでいる。

『銭の戦争』チームで挑んだ今回の現場については「みんな僕のこと好きだってことが伝わってくる。こんな怠け者の僕を信頼して、上手く操ってくれている」と述べ、「だから僕もやらないといけないと思った」とコメント。お互いの信頼が築き上げてきた作品の集大成となるドラマの結末に注目だ。

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