志田未来「近いようでまったく違う」アナウンサー役で気付いた“感情”の伝え方

2016年10月05日 15:00

君塚良一監督の最新作『グッドモーニングショー』(10月8日公開)に出演する志田未来にインタビュー。君塚作品の魅力や、アナウンサー役を演じて気付いた女優との違いなどについて語っていただいた。

本作は、朝のワイドショー「グッドモーニングショー」のメインキャスター澄田真吾(中井貴一)を中心に描いたオリジナルコメディ。澄田が妻・明美(吉田羊)と息子の言い争いに巻き込まれ、職場ではサブキャスターの小川圭子(長澤まさみ)に“身に覚えのない交際”を発表しようと迫られ、プロデューサーの石山聡(時任三郎)からは番組の打ち切りを告げられるなど気分は最悪。さらには、爆弾と銃を持った立てこもり事件に名指しで呼び出され、武装した犯人・西谷颯太(濱田岳)を相手にマイク一つで対峙することに……。まさに踏んだり蹴ったりとなった澄田の一日が描かれていく。

君塚監督作品には『誰も守ってくれない』『遺体 明日への十日間』に続いての出演となる志田。これまでの社会派作品で見せたシリアスな表情から一転、今回はスポーツニュースを担当する新人アナウンサー・三木沙也として登場。澄田が抱える過去のトラウマや、澄田と小川アナの関係を知る、物語の鍵を握る人物を好演している。


<インタビュー>

――3作品連続の君塚監督作品への出演になりますが、君塚監督はどのような方ですか?

カメラを何台も設置して、カット割りも決めないで、テストもあまりしないで、最初から最後まで通して撮って、その後から監督が選ぶという撮影方法をされます。現場でも演技については基本的に役者に任せてくださり、ある意味で放置する監督です(笑)撮影方法も独特で、スタジオの撮影をしている時でも、報道フロア全体が空気作りでお芝居をするんです。最初はカメラがこちらを向いていなくても、いつの間にかこちらを向いていることもあります。いつどこから撮られるかわからないですが、逆に言えばカメラを意識しなくても良い。それぞれの登場人物がそこで生きているように演出されるのは、他の現場と違うなと思います。

――演じた三木沙也についてどのような女の子だと思いましたか? また監督からどのような演出があったのでしょうか?

沙也はきっとすごく真面目で、アナウンサーとして真実を伝えたいという思いが強い子です。でも、澄田さんとの関係を小川アナに聞きながらも、それをあまり表情に出さずにいるところは可愛い子だなと思いました。一方で、監督からは新人アナウンサーで、あまりガツガツ自分をアピールするタイプではないけれど、心の中でゆくゆくは夜のニュースを担当したいという野望も秘めている女の子と言われました。

――沙也を演じて感じたことは何ですか?

普通の女の子を演じるのと違って、テレビに映っているアナウンサーとしての姿を見せなくてはいけないという難しさがありました。それに、俳優は役を通して感情を伝えるのに対して、アナウンサーは感情を伝えてはいけない。俳優に近い仕事のようでまったく違う仕事なのだと改めて感じました。それに、アナウンサーは次々に上がってくる原稿を、一回も練習しないでパッと読み伝えなくてはならない。生放送の中で常に時間と戦っているということを肌で感じました。

――終盤にアナウンサーという立場を越えて、感情を入れて視聴者に語りかける重要なシーンがあります。あのシーンは沙也のみどころの一つだと思います。

澄田さんのトラウマの原因となる「震災報道の時に笑っていた」ことについて語るのですが、それまで沙也は真実について知りながら、面倒くさいことに巻き込まれたくないと思っていました。だけど、世間の認識は真実とは違うということをどうしても伝えたくなるくらい澄田さんの姿に感化されていきます。感情を爆発させると言うよりは、澄田さんが犯人と対峙する現場の様子を見て、徐々に高まっていくのを意識していました。

――最後にメッセージをお願いします。

テレビの“やらせ”が取りざたされることが多いですが、ワイドショーにはある種の“嘘”があっても良いのかもしれないなって。そういうことも求められているのかもしれないなと感じました。この作品では、テレビやワイドショーの裏側がリアルに面白く描かれていて、それぞれの登場人物が、自分の仕事に誇りを持って葛藤しながらも突き進んでいきます。最初は冷静だった沙也がまわりに刺激されて徐々に熱くなっていく姿に注目して、映画を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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