「恋愛のペイフォワード」長く付き合った彼女と別れて次の若い女性と結婚すること

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漫画家・久保ミツロウ、エッセイスト・能町みね子、音楽プロデューサー・ヒャダインの“こじらせ系”クリエーター3人が、毒舌&妄想&本音トークを繰り広げる一風変わった文化的おしゃべりバラエティ番組『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系列、毎週土曜深夜)。9月10日の放送では、恋愛・結婚における男の行動に関する話題で盛り上がった。

出演者の近況を報告する「久保みねヒャダ近況まとめ」では、久保による、あるツイートを紹介。それは「長く付き合った彼女とは結婚を考えきれず、次に付き合った若い女とすぐ結婚するあれって何か短く言い表す言葉はないものかと…、ああ、ペイフォワード!」というものだった。ペイフォワードとは、誰かから受けた恩をその人に返すのではなく、別の人へ送って繋げていく、という考え方。

久保によれば、ネットでこのツイートのような記事を見て、ある考えが浮かんだという。まずは、能町とヒャダインに、「この話を聞いたときに、自分はどのタイプになりたくないな、と思いますか? 長く付き合ったけど結婚できなかった女、新しい若い女、その男」と問いかけた。2人の答えを待たずに、久保は、「捨てられる女は嫌だな、と一瞬思いがちなんですけど、そんなんじゃ、こんなクソみたいな男がのさばるわけですよ。クソつまんないじゃんこの男、ってまず思わなきゃだめなんだよ」と熱弁。そして、そんな男に捨てられたくないと思う時点で負けている、と持論を展開した。さらに、新しい若い女についても、「美人で出来がいいかもしれないけど、こんなクソみたいな男と結婚できたところで何も楽しくない」と断言。ここで能町が、「え? ということは、“誰にもなりたくない”が正解なの?」と尋ねると、「そうですよ」と、あっさり。

しかも、久保は、その「クソみたい」と断罪した男に対し、「でもなんかね、最近、そういう男の気持ちもわかるようになってきたのね」と、まさかの擁護発言。「例えば私がバンドマンだとしよう。それで自分のファンの女の子に手を出して、付き合って。自分は料理しないけど、その子が教えてくれたりして料理ができるようになったりして、世間知らずだった自分に、いろいろ教えてくれた。すごいお世話になったとしても、その彼女から教えてもらったものを持って、次の女のところへ行って、最初からそれができていた自分として受け入れられて、すご~いと思われたい」と、ある種、男の見栄ともいえる部分に共感するのだという。

さらに、「あなたって最初何もできなかったじゃないって言われたくないし、言われなかったとしても、そう思っているかもしれない」、という理由で、男は長年世話になった女のもとを去り、次の新しい女のところへ行ってしまうのだと語った。

そして、久保は「感謝はしているけど、その感謝はその人に返そうって案外思わないんじゃないかな。そうなると、その感謝を他の女にペイフォワードするんじゃないかなと」と、人から受けた恩を別の人へ返すという、恋愛における“ペイフォワード論”を唱えるのだった。これには、能町とヒャダインの2人も「なるほどね!」と深く納得。

久保によると、これは恋愛・結婚だけではなく、就職にも当てはまるという。「自分ができない新人としてお世話になって、鍛えられた会社があるけど、感謝をその会社の人に返そうとは案外思わないのかなって。新天地で、できるようになった自分で、すごいですね、って言われることがモチベーションになるんじゃないかなって」と指摘した。

最後に久保は、恩を与える立場の人についても、「恩が全部自分に返ってこないことをいつまでも不平不満に思ったりせずに、誰かに何かしてあげたときは、やりっ放しくらいが(ちょうどいい)。その感謝は自分に返って来なくても、違う人のところに返っていく、という気持ちじゃないとダメだな~って」と語った。

能町は「ダメな男の話が、こんな社会を生き抜く教訓になるとは思いませんでした……」と、話の展開にただただ感心。ヒャダインは「さすが、我々、教養番組ですね」とコメントし、ほかの2人を笑わせた。

番組では、この他に、アメリカ大統領候補・ドナルド・トランプ氏の髪型や、異なる2つの曲に隠された共通点の話題などが飛び出した。

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