遠藤久美子“盲目の茶道家”役で新境地に挑戦

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女優の遠藤久美子さんが、2月1日よりスタートする昼ドラマ『嵐の涙~私たちに明日はある~』(東海テレビ・フジテレビ系、毎週月~金曜13:25~13:55)に出演。“盲目の茶道家”という難役に挑む彼女がインタビューに応じてくれた。

本作は、無情にも断ち切られた親子・夫婦の絆を、運命に翻弄されながらも紡ぎ直していく姿を描いた真実の愛の物語。ある出来事がきっかけで、夫・雄介(宅間孝行)と娘・春子(舞優)を失ってしまった石原里子(佐藤江梨子)。深い悲しみから生きる希望を失いかけた里子が、育児放棄されながらも必死に生きようと大きな泣き声をあげる赤ん坊を見て、一緒に暮らすことを決意する。

一方、茶道の枝川流・第17代家元の枝川太造(竜雷太)は、実は生きていた雄介と春子と出会い記憶を失っていることを知る。太造は目の不自由な愛娘・まき(遠藤久美子)の亡くなった夫・剛太郎と娘のすみれの代わりとして、二人を迎え入れる……。

親子の絆、夫婦の愛、強烈なエゴ、愛するが故の罪、生きる爽快感、そして無償の温もり。51年半にわたり愛され続けてきた東海テレビ制作の「昼ドラ」のすべてが凝縮された物語となっている。


<インタビュー>

――遠藤さんにとって『安宅家の人々』以来、8年ぶりとなる「昼ドラ」の出演オファーを受けた時の感想を教えてください。

私が演じるまきは、盲目の茶道家のお嬢様という今までにやったことのない役で最初は本当に緊張しました。しかも、茶道家として18代家元を継ぐという設定なので、「所作も大切だよな……」と現場に入るまでそのことで頭がいっぱいになりました(笑)

――茶道の経験はありましたか?

お茶会でいただいたことはありますが、自分でお茶をたてたことはなくて、リハーサルの日に茶道の先生に教えていただいたけど大丈夫かなって(笑) それに、茶道の先生も盲目の方に教えたことはないそうで、「本来はスッと器に触れるけど、目が見えないから器の縁を触りながら手を動かすかもしれないですね」と想像しながら、一緒に試行錯誤しています。

――盲目の役を演じる上で意識していることはありますか?

あまり目がおよぎすぎても物語に入っていけないですし、カメラアングルにもよりますが、“生きているようで生きてない。生きてないようで生きている”ということを意識しています。これまでに演じたことがない役柄なので難しいですね。

――まきは目が見えない分、まわりの状況を視覚以外の部分で感じようとしていると思います。そういう“感覚”が影響されることはないですか?

影響されるというか気付かされることの多い役だと思います。例えば「目が見えないとまっすぐ歩けないよな」と思って、外で目をつぶって歩いてみました。そうしたら“今日は暖かいな”とか”今、風が吹いた”とか、いつもは気にしていなかったこともしっかり感じていることに気付いたんですよね。カフェに入ってちょっと目をつぶってお茶を飲んでみても、“人が入ってくる音”とか“パソコンを打つ「パチパチ」という音”とか聞こえてくるんです。この目で“見えている世界”と、目をつぶって“感じる世界”の違いがわかった気がしました。

――今回のように難しい役を演じるのは楽しいですか?

それがまだ「どうしたら良いかな?」と答えを探しながら演じているので、楽しいと感じるところまではきていないです。今は、試行錯誤しながらですが、責任をもって演じきって、最終的に楽しいと思えるようになりたいです。

――撮影現場の様子はいかがですか?

「花嫁のれん」を手がけたスタッフさんが多くて、昼ドラならではの苛酷なスケジュールにも慣れていて、キャストの方たちもベテランさんたちが多いので、シーンによってはピリッとすることもありますが普段はとても穏やかです。それに子役たちがお芝居を大好きみたいで、現場でいつも元気なんです。早く撮影が終わった時も「帰りたくない!」と言って、なかなかスタジオから出なかったりして、すごく可愛いなと思いました。それにみんなが明るく撮影したいと思っているので、どんどんチームとして良くなっていってくのを感じます。「風邪ひいてない?」「ご飯は食べた?」とかお互いに声をかけて支え合ったりして、部活みたいな感じです(笑)

それと、竜雷太さんがお誕生日を迎えられて、スタジオで花束をお渡ししてお祝いしたのですが、すごく忙しいスケジュールの中でも、お祝い事をちゃんとやるというのはとても心温まりました。

――竜雷太さん演じるまきの父・太造が序盤のキーマンとなっています。父と娘ということで共演も多いのではないかと思いますが、これまでに印象的なシーンはありましたか?

お父さんに申し訳ないと思って、竜雷太さんの前で私が泣くシーンがあったのですが、その時自分でも驚くくらい泣いてしまいました(笑) それに以前から竜雷太さんとお仕事をしたいと思っていて、個人的には夢が叶った現場でもあるので、その思いも一緒に溢れ出たのかもしれません。

――ただ、竜さんが演じる太造は、序盤でかなりキーとなる存在ですよね?

最初に1人殺しちゃいますからね(笑) 里子さんの子どもをすり替えて娘として迎え入れたりして、序盤は太造さんにフォーカスがあたっています。私も台本を読んだ時は「こんな始まり方なんだ!」って驚きました。お父さんが色々なことをして、すごく仲の良かった里子さんと雄介さん夫婦が崩れていってしまうんですよね……。

――また、主演の佐藤江梨子さんは出産後の復帰作となりますね?

お子さんが生まれたばかりでものすごく大変だと思います。朝4時くらいに赤ちゃんに母乳をあげてから現場に入っていると聞くと「頑張ってください!」と思うと同時に私も頑張ろうって励まされます。それに佐藤さんがとっても格好いいんです。佐藤さんと、そこに絡んでいくベテラン陣のお芝居は本当に見ていても面白いと思います。

――最後に、ドラマのみどころをお願いします。

51年半に渡り続いた「昼ドラ」の最後を締めくくる作品となります。“家族の愛”がテーマになっているので、昼ドラファンの方もそうでない方も共感できることがたくさんあると思いますので、ぜひ、楽しんでいただきたいです。あと、私はショートカットやボブのイメージがあると思いますが、今回はロングの髪型なのでそちらも注目してください。

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