石原さとみ“可愛さ”の秘訣!? プロが語るドラマ撮影の裏技

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石原さとみと山下智久が出演するフジテレビ系ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』(毎週月曜21:00)の演出を手がける平野眞さんにインタビュー。ドラマの舞台裏についてたっぷりと伺った。

『5→9』(読み:“5時から9時まで”)は、海外で暮らしたいという夢を持つごく普通の女性・桜庭潤子(石原さとみ)に突然モテ期が訪れ、一刻も早く自分の寺の嫁になってほしいと願う僧侶・星川高嶺(山下智久)と出会い、ぶつかり合い、すれ違い続けながらも、徐々に距離を縮めていく姿を描いたラブストーリー。

毎回放送されるたびにネット上では「石原さとみが可愛すぎる」、「英会話がノリノリすぎて面白い」、「山Pがいろんな意味でヤバイ」などと話題に上がり、2人のキス未遂の連続にヤキモキする人が続出。物語も潤子のNY行きへの思いや高嶺が抱える寺の事情に変化が起こるなど、後半に入り盛り上がりを見せている。

今回のインタビューでは、平野さんが2人をどのように演出しているのかを中心に伺い、撮影の“裏技”や俳優としての“魅力”を語っていただいた。


<インタビュー>

――これまで放送してきて視聴者から反響は届いたりしていますか?

電車に乗っているときに近くにいた女子高生が『5→9』の話をしていたりすると、テンションが上がりますし、お礼を言いたくなっちゃいますよね(笑)

――やはり自身が手がける作品が話題になると嬉しいですか?

やっぱり嬉しいですよ。以前、『やまとなでしこ』というドラマをやったときは、とても高視聴率で、何かやってみたら反響あるかなと思い、松嶋菜々子さんに「じゃあ失礼します」という台詞のところで「じゃあドロンします」って、両手を合わせて人差し指を伸ばすポーズをしてもらったことがあるんです。そうしたら、数日後に女子高生が真似しているのを見たんですよ。そのときは「勝ったな」って思いました(笑) そういう風に何か流行るようなことを今回もできたら良いのですけどね。

――残りの撮影の中で何か仕込まれる予定ですか?

いろいろ考えてはいて、石原さんに何かやってもらいたいなと思っているんですが、今一歩、そういうことが仕込める場面が出てこないんですよ。残りの撮影の中で何かできると良いなと思っているので、ぜひ、楽しみにしていただきたいです。

――インターネットでは、毎回放送後に石原さとみさんが「可愛いすぎる」と話題になっています。監督として彼女を撮影するときに意識する部分はあるのでしょうか?

スタジオで連続ドラマを撮影していると、たくさんのカメラを使って同時に撮影するマルチ撮りという手法を使えるのですが、何人か一緒のシーンを一連の流れで撮影した後で、石原さんのアップを別で撮影するなどしています。やっぱり視聴者のみなさんは潤子を見てドラマを追っていると思うので、可愛い方がいいじゃないですか(笑) 別に撮ることで、カメラが良いアングルに入ることもできますし、カメラのアングルに対して目線の細かい指示を出すこともできて、それが視聴者のみなさんに伝わっているのかなと思います。

――撮影していて、石原さんの特にこの角度が可愛いという部分はありますか?

伏せ目がちに上目づかいをする表情が僕は好きです。それはちょうど山下くんを見る角度になるのですが、彼の方が背は高いので、その視点になるようにカメラを上げて、その前にいる石原さんに顎を引いた感じで上目づかいをされるとたまらないですよね(笑)

―― 一方の山下くんは、先ほどの女子高生の言葉にもあったように、最初はボソボソと話すキャラクターが印象的でした。

高嶺がやっていることって普通に考えたら気持ち悪いじゃないですか? でも、それを気持ち悪くさせすぎてはいけない。かといって普通にメリハリある喋りをすると、格好良すぎてストーカーっぽさがない。それでハッキリと物を伝えることも大事だけど、特に序盤は高嶺というキャラクターを活かしていこうよということを彼と話しました。結果的には、イケメンがストーカーを演じればそこまで気持ち悪くならないんだなと思いました(笑)

――山下くんの撮影でこだわったところはどこですか?

第1話で潤子を迎えに行く雨のシーンです。高嶺が傘をさしていて、傘の陰から顔が出るカットは徹底的にこだわって「これくらいの角度でやってね」、「スローモーションかけるけど、傘を上げるのはゆっくりで良いからね」、「片目が最初に見えるように上げていって」と本当に細かいディテールまで伝えて撮影しました。思っていたのに近い映像を撮ることができたと思います。

――監督と石原さんとは「ディア・シスター」でも一緒にお仕事をされていますが、石原さんの女優としての魅力はどのようなところにありますか?

石原さんは、一般の人に近い感覚を大切にしている気がします。本当に一般的な28~29歳の感覚を持って挑んでいる感じがします。だからこれだけ多くの人に支持されるのだと思います。もし、箒すら掃いたことのない人が「等身大です」と演じてもそれに感情移入なんてできないじゃないですか。彼女はお金の使い方も派手じゃないし、その辺の感覚をしっかりわかっている人だと思います。

それに、とっても可愛いのはもちろんですけど、芝居が本当に上手い。彼女の芝居には“あるある感”がとてもよく出ているんです。例えば、一見無駄に見える表現がとても上手ですよね。台本に書かれた台詞をただ言うだけではなくて、言葉ではないところでそのキャラクターを表すちょっとした仕草が素晴らしい。例えば、この間は“服の袖の糸が出てきちゃって取れない”みたいな動きをしていました。そういうことって実生活でもあるじゃないですか。台詞がないところも芝居で埋まっていて、自然な感じを出してくれる。台詞がなくてもついついカメラで寄りにいきたくなってしまう。そんな魅力が彼女にはあります。

――山下さんの俳優としての魅力はどのようなところでしょうか?

彼はカメラに対してどうしたらよく映るのか本当によくわかっている役者ですね。僕から大きな指示を出すことはほとんどしないですけど、アップで撮っていても「こういう風にして」と伝えると、しっかりと画が決まって流石だなと思わされます。台詞回しにしても自分の長台詞に関してはすごくこだわりがあるようで、そこを上手く汲んであげたくなりますね。

――石原さんと山下さんは現場ではどのような関係なのでしょうか?

ドラマの撮影が続いていくと、恋人同士の役なのに俳優同士の仲が悪くなってしまうこともあるんですよ。でも、この2人は本当に仲が良いですね。これから先、最終話に向けてどんな展開が待っているか今の時点では僕もまだわからないですが、そんな石原さんと山下くんが演じる、潤子と高嶺の関係をぜひ見届けてください。

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