松下奈緒、二宮和也主演「坊っちゃん」マドンナ役のオリジナル要素とは?

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嵐の二宮和也主演で2016年1月3日(土)21時からフジテレビ系で放送する新春ドラマスペシャル『坊っちゃん』のマドンナ役を松下奈緒が演じることが決定。オリジナル要素が明らかになった。

文豪・夏目漱石が亡くなってから来年で100年。「坊っちゃん」は、漱石の教師時代の実体験をベースに描かれた小説で、明治時代、住み込みの女中・清(きよ)から「坊っちゃん」と呼ばれた青年が、四国・松山の旧制中学校(※現在の高等学校)に数学の教師として赴任をすることに。そこで同僚の教師たち、生徒たちとぶつかり合い大暴れしながら展開する。発表から100年以上経った今なお、多くの人を魅了し続ける漱石の代表作の一つだ。

松下が演じるマドンナは、「色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人」で、出会った坊っちゃんを「なんだか水晶の珠を香水で暖ためて、掌へ握ってみたような心持ち」にさせたと原作で表現されている人物。ミルクホールの女給として働いており、町一番の美人で、皆から「マドンナ」と呼ばれている。山本耕史演じる英語教師のうらなりとひそかに思い合っているのだが、及川光博演じる教頭の赤シャツもマドンナを好いており、切なく、そして激しい三角関係が繰り広げられる。相手を恋い慕う純粋な気持ちの前に、家が第一という封建的な社会の存在が大きく立ちはだかり、「恋愛」という言葉がはじめて登場した明治時代に展開される、胸を焦がすラブストーリーが、このドラマ『坊っちゃん』の大きな見どころの一つとなる。

これまで「坊っちゃん」が映像化されるたび、加賀まりこや松坂慶子、松原智恵子など、その時代に最も輝いている女優が演じてきたマドンナ役。松下は「そうそうたる先輩方が演じられましたので、実はとてもプレッシャーに感じていました」と語り、「二宮さん演じる坊っちゃんの言動や信念に背中を押してもらったり、強くなれたりしていきます。マドンナもその一人です。見てくださる方にも同じ気持ちになっていただけるとうれしいです」と話している。

また、今回のドラマ化にあたり、原作ではうらなりと婚約しているというマドンナの設定に変更が加えられることが明らかにされた。これについて長部聡介プロデューサーは「小説の中では彼女が本当はうらなりが好きだったのか、赤シャツが好きだったのか、マドンナ自身の本心について詳しい記述はありません。ですが、ストーリーとして最も重要な部分です。なので、今回のドラマでは、自分の思いと意志をちゃんと持った、明治らしい新しい時代の女性としてマドンナを描きたい」とコメント。ミルクホールの女給というオリジナル設定については、「親にセッティングされた、いいなずけという関係ではなく、思い合うという今に通じる感情を持ち、自分で働いてみたいという志を持ったマドンナ。華やかな存在感と繊細な空気を併せ持つ松下奈緒さんに演じていただけることとなり、これまでで最も魅力的なマドンナをお見せできる」と松下の起用についてコメントしている。

さらに同プロデューサーは「小説では坊っちゃんとの直接の会話もありません。今回のドラマでは、マドンナは一人の女性としての思いと、親の意思で進む縁談との板挟みになりますが、一方で、親の意思に逆らうことはいけないことだと思い込んでいます。それはこの時代の価値観としては決して特別なことではなく当たり前のことなのです。しかし、坊っちゃんの言動に接していくうちにその考えが変わっていく……。坊っちゃんの存在が中学の中だけにとどまらず、松山の街や人々に影響を与え、新たな時代が始まっていくという、このドラマのテーマを新しい年の初めに力強いメッセージとして伝えられれば」と語っている。

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