高城れにの涙にモノノフも感動『坂崎幸之助ももいろフォーク村デラックス』ライブレポート

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人気アイドルグループ・ももいろクローバーZと人気ロックバンドTHE ALFEEの坂崎幸之助が、ゲストを迎えて毎月1回スタジオライブを生放送している音楽番組『坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』(CS放送フジテレビNEXTライブ・プレミアム)。6日、東京・代々木第一体育館で、第50夜『坂崎幸之助のももいろフォーク村デラックス』が開催され、豪華アーティストとのコラボレーションが実現。笑いあり、涙あり、サプライズありのアコースティックライブが行われた。

生放送スタート時刻の19時になると、ももクロをイメージした5色のサイリウムが会場を鮮やかに彩る中、坂崎となぎら健壱のアコースティックギターの音色にのせてももクロが歌う「生活の柄/高田渡」でライブはスタート。続いて、なぎらのヒット曲「いっぽんでもニンジン」を一緒に歌い、なぎらは、シングルCDの国内販売記録を持つ「およげ!たいやきくん/子門真人」のカップリングだったにもかかわらず、印税契約ではなく、わずかな金額で契約してしまったという悲しみのエピソードを披露した。

なぎらがステージを去ると、森山直太朗が登場し「さくら/森山直太朗」を披露。そして「フォークは僕に優しく語りかけてくれる友達/森山直太朗」では、サビの「シャララ~♪」で観客を巻き込んでの大合唱となった。さらに私立恵比寿中学の真山りか、廣田あいか、柏木ひなたも加わり「またあえるかな/安本彩花」を歌うことに。これに森山は「ゲストを呼んでおいて、自分たち(エビ中)の曲を歌ってくれっておかしくない?」と、言わされている感満載の超棒読みで抗議の声をあげるも、ももクロから「モリエモン、わざとらしすぎるよ(笑)」とツッコミを受けていた。続いて、膝上のミニスカ姿で登場した森高千里は自身のヒットナンバー3曲でももクロとコラボ。「渡良瀬橋」で玉井詩織とリコーダーのデュエットを披露し、「水曜歌謡祭」の森高の衣装をイメージしてきたという佐々木彩夏と「私がオバさんになっても」、そしてももクロと「気分爽快」を歌いライブを盛り上げた。

さらに、高城れにが「Birthday/奥華子」を歌おうとすると、まさかの奥華子本人が登場。メンバーの中で唯一知らされていなかった高城は「なんでなんでなんで!?」と驚きのあまり泣き出し「待って待って。高城はこんな風になる予定じゃなかった」と困惑した表情。客席からの「がんばれー」という声援に背中を押され、奥が弾くピアノにあわせて歌唱すると「本当に幸せです。もう(骨折した左手は)くっついたと思います!」と言ってようやく笑顔を見せた。

そして、加藤いづみと高橋研が登場し、有安杏果と「あこがれ/加藤いづみ」を披露。続いて登場した華原朋美は、華原をイメージしたという黒いワンピースとロングヘアー姿に扮装した百田と「I’m Proud/華原朋美」を、篠原涼子をイメージしたという佐々木と「愛しさと 切なさと 心強さと/篠原涼子」を熱唱。さらに、榊いずみが登場し、百田と有安と3人で「失格/榊いずみ」を披露。

そしてここからは、ももクロとエビ中を中心にしたラインナップが続々登場。百田×有安×高城が「ハナミズキ/一青窈」を歌い、ももたまい(百田&玉井)と真山による「しあわせグラフィティ/リョウときりん」、有安が武部聡志のピアノ伴奏で「The Rose/ベッド・ミドラー」を力強く歌い上げ、高城はボンジュール鈴木と「あの森で待ってる/ボンジュール鈴木」とコラボを披露した。そのほか、ももたまいがコスプレで登場した「青春アミーゴ/修二と彰」、高城×真山がミュージカル調に仕立てた「とびら開けて/神田沙也加・津田英佑」、佐々木×廣田が元気にパフォーマンスを繰り広げた「あいあいとあーりんと行く日本全国鉄道の旅/廣田あいか」、有安×柏木が熱唱した「to U/Bank Band」、さらに、加藤いづみが、エビ中の3人それぞれとコラボレーションを見せた。

ライブの後半に入ると、ももクロが番組内で1年にわたり練習してきたギターの弾き語りに挑戦。緊張の面持ちながらも、有安は「ささやかなこの人生/風」を見事に一人で弾き語り、玉井を中心にしたももクロメンバーは「イメージの詩/よしだたくろう」で練習の成果を披露した。

また、ライブ終盤には、ももクロが、自身のインディーズデビューシングル収録曲の3曲を披露。「MILKY WAY」、「ラフスタイル」のアコースティックバージョン、武部のピアノ伴奏による「ももいろパンチ」では、驚がくのピアノアレンジに観客のみならず共演者も驚きの声をあげていた。そして、坂崎とエビ中を加えTHE ALFEEの「SWEAT&TEARS」を歌い、ラストにはこの日の出演者がそろって「Best Friend(Kiroro)」を熱唱。この楽曲中には高城が感極まって号泣し、メンバーに支えられながら歌い、会場が「れにちゃんがんばれー」という声援に包まれる。

こうして感動のラストを迎えたと思えたところで突如、篠原ともえが登場。「『Best Friend』ということで私が来なくちゃいけないと思いましたー!」と、感動の空気をものともせずに、いつものテンションで突き抜けてくる篠原に対して、坂崎は「呼んでないよ」とツッコミ。そんな言葉はまったく耳に入っていない様子の篠原は、以前番組内でオファーがあった衣装のデザインを披露。森山が「すんごいメンタル強いんだねぇ」と思わずつぶやくのもお構いなしの篠原は「上半身が人間、下半身が馬の“レ二タウロス”」と怒濤の勢いでコンセプトを説明。しかし、ももクロから「これ衣装なの?」とツッコミを受けるなどして、よくわからないドタバタ劇のままライブは終わるかに思えた。

しかし、会場のマイクとスピーカーが止まり、いよいよ終了かと思われた頃、高城が地声で「もう一曲いくよー!」と叫び、それに応じて観客は「おぉー!!」と大歓声。するとメンバーは、人差し指を口に寄せ「シーッ」と静まるように求め、ラストナンバー「あの素晴らしい愛をもう一度/加藤和彦・北山修」を、マイク一切なしの地声で歌いはじめた。静まりかえる会場内に響き渡るハーモニー。最後のサビ前には、百田が「みんなも歌って!」と呼びかけ、会場に集まったファンたちによる「あの素晴らしい愛をもう一度~♪」の大合唱で、この日のライブは終演。そうして、心地よい余韻が会場に残る中、全メンバーがステージ上から去ると、ステージの隅にちょこんと残った高城が「笑顔が一番!?」と観客に呼びかけ、ファンは「れにちゃーん!!」と呼応。笑顔の高城がステージを後にして、この日のすべてのイベントを終えた。

アコースティックをテーマに、バラード曲のソロ歌唱やギターの弾き語り、アーティストとのコラボレーションなど、アーティストとしての側面が強調される『坂崎幸之助ももいろフォーク村』。ライブ会場を後にする観客が「今日はほんとに良いライブだった」「れにちゃん、今日は思い入れ強かったんだろうな…」と口々に語っていたことからもわかる、文字通り感動的なイベントとなった。

この模様は、フジテレビのCS放送フジテレビNEXTライブ・プレミアムで、8月8日(土)17時からリピート放送。そして、9月3日(木)15時からは、この日のメンバーが生放送前に登場した“代々木フォークゲリラ”の模様を加えた完全版が放送される。

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