木村拓哉「照れくさい」シリーズ14年を振り返る『HERO』完成報告会見

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映画『HERO』完成報告会見が5日、東京・霞ヶ関の法務省にて開催された。主演の木村拓哉はじめ、北川景子、杉本哲太、濱田岳、正名僕蔵、吉田羊、松重豊、八嶋智人、小日向文世、角野卓造、佐藤浩市、鈴木雅之監督が出席。木村は、14年にわたり愛され続けているシリーズの2度目の映画化について「照れくさい」と心境を語った。

『HERO』は、スーツを着ないで仕事をする型破りな検事・久利生公平(木村拓哉)を中心に、城西支部のメンバーがさまざまな事件に立ち向かっていく姿を描いた物語。2001年よりフジテレビで連続ドラマとしてスタートし、スペシャルドラマや劇場版を経て、昨年、シーズン2を放送。今回の劇場版第2弾では、シーズン2のレギュラーメンバーをそのままに、シーズン1で久利生とコンビを組んだ雨宮舞子(松たか子)が登場し、大使館の治外法権という司法の壁に立ち向かっていく。

木村は「楽しんでもらいたいという気持ちでいっぱいです」とあいさつし、本作について「治外法権や外交特権という政治上で確立された権利がありますが、何か捜査する方法はないのかと、彼なりのアプローチをしていきます」と紹介。また、事務官から検事となった雨宮との8年ぶりの再会については「懐かしさもありますが新たな一面が作品の中にあります」とコメント。ストーリーの鍵を握る外務省欧州局長を演じる佐藤については「城西支部のメンバーだけだとワチャワチャしているだけですが、佐藤さんがいると現場がピシッと締まりました。それは映像から伝わると思う」と話した。

そして、北川は「事件が大きかろうと小さかろうと、変わらぬ正義感で立ち向かっていくところは、映画になっても変わっていない」と語り、「すごいですよ。松さんと木村さんが並んでいる姿を見て、一気に中学時代にタイムスリップしたみたい」と笑顔を見せた。

また、シーズン1から出演している角野は「ここ(法務省)に、このシリーズを見て検事になられた方がいらっしゃるそうです。これは14年間やってきて嬉しいことですし、僕の俳優生活の中で誇りに思えることです」と感慨深げに語り、小日向も14年間を振り返り「末次さんが仕事に熱心じゃなくて、成長していないのが嬉しかった」とコメント。さらに、会見前日にテレビで放送された劇場版第1弾を見た感想を「確かに髪の毛は結構ありました。これも長いことやっている勲章かなと思う(笑)」と言って取材陣を笑わせ、「当時は思わなかったのですが、改めてシーズン1を見ると久利生が息子のように愛おしくなります。確かに木村さんも年を取ったけど、あのときのキラキラ感がまったく失われていない」と話した。

そして、今回の劇場版の撮影について話題が及ぶと、木村は冒頭で登場する給湯室のシーンを紹介し「定点カメラを使って、カメラワークもカット割りもなく、3分強のシーンを長回しで撮影しました。その判断を監督から現場で聞いたときには、“大変だ”とか“苦労しそうだ”というマイナスのイメージは1つもありませんでした。監督からの“お前ら好きにやって良いよ”という、自分たちを信じて、楽しんでくれているという思いがすごく伝わりました」と、このチームならではの撮影風景を明かした。

木村は最後に「実際に検察官や弁護士になられた方々が、ここを通過して世の中に出ていく。その場所で作品を撮影させていただき、さらに発表できたことを誇らしく思います。『HERO』を見て検察官を目指したという方が、任官され巣立っていっているという話も伺いました。出来あがった作品から、影響を受けて、受け取ってくれる人がいるのか楽しみでいっぱいです」と語った。

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