ロンドン五輪メダリスト海老沼匡、松本薫ら「全日本選抜柔道体重別選手権」に意気込み

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ロンドン五輪銅メダリストの海老沼匡や同金メダリストの松本薫ら、有力選手が出場する「平成27年 全日本選抜柔道体重別選手権大会」が、4月4日、5日の2日間にわたり、福岡市の福岡国際センターで開催。この模様を、フジテレビで4日25時35分から、5日24時45分から2夜連続で放送する。本大会に出場する松本と海老沼ら注目選手が、大会への意気込みを語った。

男子66kg級からは、世界選手権を2011年、2013年、2014年の3大会で優勝しながらも、ロンドン五輪は銅メダルに終わり、来年のリオ五輪での金メダル獲得を目指す海老沼が出場。海老沼は、昨年のグランドスラム東京での敗北を振り返り、「本当に悔しくて、それが自分を見つめ直すきっかけになりました」と語り、柔道の練習だけではなく、自分と向き合うための時間を過ごしたという。海老沼は「一本で勝って当たり前だとかスマートな勝ち方をしようとか、格好ばかり気にしている自分があったように思えます。自分を見つめ直す時間を作って良かったと振り返られるように、選抜を戦いたい」と語り、「日本でも“俺が一番強い”というところを見せたい」と意気込んだ。

そして、その海老沼からグランドスラム東京2014で「技あり」の優勢勝ちという大金星をあげ、初出場にしてグランドスラム制覇を成し遂げ、ライバルとして名乗りをあげたのが17歳の若き逸材・阿部一二三。2015年のテーマに「負けなし」を掲げ、今大会について「一番目標にしている大会なので、優勝を目指します。ここで優勝できなかったらリオ五輪も途絶えてしまう」と最重要な位置づけであると語り、「五輪に出場するという小さい頃からの夢をかなえる第一歩にしたい」と力強くコメント。「前までは“夢”だったが、今は“目標”に変わったオリンピックで優勝して世界一になろうと思っています」と、輝く未来を見据えた。

また、女子57kg級は、ロンドン五輪金メダリストの松本と2014年の世界選手権を制した宇高菜絵の女王対決に注目が集まる。松本は、昨年の成績を振り返り、「みんなが求める自分にならなければいけない、“野獣”にならなければという“偽りの闘争心”で戦っていたので勝てる訳がなかった。期待に応え過ぎていました」と話し、今大会に向けて「ちゃんと地に足着けて、目の前にいる相手だけを見て戦って、優勝目指して頑張ります。そして二連覇の懸かるリオ五輪にも勿論出て、表彰台の一番高いところに立ちます」と語った。対して宇高は、「1階級につき8人しか出られない選抜ですから、出るのだけでも大変な大会だし、一回戦からレベルの高い大会なので、勝つのが本当に困難です」と大会について語りながらも、「10年前はチャレンジャーとして“ひとつでも勝てたら”という気持ちでしたけど、今は自分がこの階級のトップという気持ちを持って、守りに入ることなく、攻めの気持ちを忘れないで一試合一試合確実に上がっていきたい」と勝負に懸ける思いを話した。

そして、世界選手権制覇3選手がひしめく男子73kg級に出場する中矢力は、「大野選手は絶対的な強さを持っているので、しっかりと持ち合った段階で戦ったら分が悪いと思っています。相手の良いところを潰し勝つという気持ちを忘れず戦います。秋本選手は、スピーディな動きの流れで投げられたため、先に自分のペースを掴んで粘っこい柔道をすれば勝利は見えてきます。(秋本選手は)昔からのライバルなので、絶対負けられないですね」と対戦相手を分析。新旧世界女王が出場する女子48㎏級の近藤亜美は、「去年は大きく飛躍した年でしたが、浅見さんがいない状態での世界チャンピオンだったので、去年は仮の世界チャンピオン。今年ちゃんとした世界チャンピオンになれるよう頑張りたい」と語り、「過去の戦績を振り返っても浅見さんに一歩リードされていると思いますが、次に自分が浅見さんと対戦することになったら一歩も引かない柔道をします」と宣言。「優勝しか、自分が世界に行ける切符はない」と並々ならぬ思いを明かしている。

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