『映画 山田孝之3D』は“できちゃった映画”多くを巻き込む「山田孝之」は結局何がしたかったのか

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【次回作には監督のご家族も!? 気になる今後の展開は…】

――『北区赤羽』『カンヌ』の“ドキュメンタリードラマ”のように、この映画にあえてジャンル名を付けるとしたら?

松江:僕は、“告白ドキュメンタリー”だと思っています。山田孝之が77分間カメラの前で自分のことを告白したドキュメンタリーだなと。

山下:う~ん……結局はこのタイトル以上でも以下でもない気がしますよね。本当に“山田孝之の3D”。本当にただそれだけ。というか、もはや“山田孝之”というジャンルができてしまったのかも。

松江:山田孝之がいて、僕らがワチャワチャやっていたら、ドラマができた。さらには映画ができちゃった。よし、3Dにしてみよう。東宝に聞いてみようかな……上映できちゃった! みたいな(笑)

山下:でも、山田くんがそれを想像したかというと、そうではないんですよね。山田くん自身、巻き込んでいるつもりで巻き込まれている。山田孝之が作った輪の中にいるのに、本人もぐるぐる回って、翻弄されている。……やばい。話していると、だんだんスピリチュアルな感じになってしまう。

――観た方はどんな感想を持つと思いますか?

松江:稲垣歩駿さん(山田孝之のファン、『カンヌ』で出資してくれた方)はもう観てくださったのですが、「最高っす。何回でも観れます」って言ってましたね。

山下:女性ファンはどうでしょうかね、稲垣さんとはまた違う感想を持つかもしれません。この作品では山田くんが座って話してるだけなのに、すごく色々な表情を見ることができるんですよ。すごくキュンとなる顔もあるし、シリアスな顔もするし、お芝居している部分もある。本当に山田孝之が好きなのであれば、見応えはあると思います。

松江:山田くんの事をまったく知らないという人も含めて、すべての方がこの作品の見方が違うと思いました。個人的には、この映画を観ながら自分の家族のことを考えてしまって。自分が編集していて、そういった部分を残したいと意図したところがあるのかもしれないです。おそらく、観ている人の生きてきた状況によって突き刺さり方が違う。同じ場面でもゲラゲラ笑っている人がいれば涙を流している人もいるかもしれないし、すごく振り幅のある、普遍性のある映画。山田くんの御両親はどう観るのか? 山田くんの子どもが観たらどう思うのだろう? とか思いますね。

山下:あと、「山田孝之、全告白」と言っておきながら、実は言えてないこともあるんですよ。編集で切った部分もあるし、山田くんが心に留めておきたい部分もあるだろうし、山田くんの歴史はまだまだたくさんある。そんな言えていない部分を想像して、感じながら観てくれたら、もっと面白くなると思います。

――『北区赤羽』がドラマアウォード2015の演出賞、『カンヌ』がギャラクシー月間賞と、2作共日本のドラマ界では評価されていますが、次回作のご予定は?

松江:これ以上、何をやると思います(笑)? 山田くんのお姉さん、そしてお父さんが出ちゃったんですよ? 

――想像も出来ないですが……奥様やお子様が出演するんですかね……?

山下&松江:爆笑

松江:そうしたら、山下くんとか僕の妻の方が先に出るよね(笑)

山下:そうだね。もう、山田くんが何を言っても「ほほう」と思うけど(笑) 次回作は、山田くんが何をやりたいかですよね。でも、これ以上何がやりたいんだろう。まだ何がしたいんだろう(笑)

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