斎藤工、テレ東に感謝『最上の命医2016』で恩返し「ここに帰って来られて良かった」

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――医療ドラマということで緊張感のある現場だったと思うのですが、休憩中はどのように過ごされていましたか?

撮影の合間に、病院に注射を打ちに行ったことがあったのですが、この格好(白衣)のまま行ったので、先生に先生が診てもらうみたいな感じになっちゃって(笑)。でも、最後にしっかり「こういうドラマをやります!」って番宣して来たので、その病院の視聴率は確保できたんじゃないかな。『最上の命医』の事を知っていてくださったので、すごく嬉しかったです。

あと、現場の「斎藤」率がすごく高くて、7名くらいいたんです。僕は命先生って呼ばれていたのですが、スタッフにも怒られる “斎藤”さんがいて。「斎藤!」って怒鳴っている声を聞いて、その度に僕と玲子先生役の斉藤由貴さんが反応してしまいました(笑)。あまりにも斎藤がいるので、監督が“7人の斎藤”ってスピンオフドラマを作りたいって仰っていました。

――多くの医療ドラマがある中、この作品にしかない魅力はどこだと思われますか?

『最上の命医』は、医者をヒーローのように描くのではなく、日本の医療問題にメスをいれた作品なんです。そこが他作品との違いだと思っています。アメリカだと小児外科医は最高の名誉であり、重宝されているのですが、日本ではさまざまな理由があり、小児科不足・外科不足という問題を抱えています。泉谷さんも小児外科不足を非常に深刻に捉えていらっしゃって、「この部分はまだ解決されていないから、このセリフを強調しよう」「(人の心に)訴えられるようなものにしたいね」と、一緒に話していました。

――今作で印象に残っているセリフは?

前作でも命の口癖だったんですが、「見殺しより人殺しがいい」というセリフは印象に強く残っています。お医者さんにはたくさんの責任問題が降りかかってきますが、覚悟を持って責任を取れる人はどれくらいいるんだろうって考えることがあります。責任を取る覚悟がどれだけ勇気のいることか、そのセリフに現れている気がします。

――独自の路線を貫いているテレ東のドラマに再び主演として出演することになったら、どんな作品でどんな役柄を演じてみたいですか?

昨年、『山田孝之の東京都北区赤羽』(2015年1月クール放送ドラマ)を拝見して、“またテレ東が風穴を開けてくれたな~”と思っていました。今の時代とテレ東さんのラインナップが非常にマッチしてきていると思っているので、またそんな強めのものを作っていただいて、僕を使って欲しいです。僕が演じるとしたら、何か規格外の役がいいですね。……ブタの役とか! 『実写版ブタ』見た目は普通なんだけど、あきらかにブタ扱いされている養豚場の中の一人。あと、テレ東といえば“アニメ”なので、アニメの中に一人実写で出てみたいです。また、新春時代劇の生放送とかどうでしょう。ハラハラして見ることができますよね。スタッフが見切れているとか(笑)。今の時代だからできるもので、またテレ東さんとお仕事させていただきたいですね。

――最後に、見どころをお願いします。

冒頭のシーンのスケール感が非常に大きいです。高速道路で事故が起こり、ドライバーの胸にパイプが貫通しているという状況からスタートするのですが、そこで5年前にも増して命の勇敢さが感じられました。また、玲子先生と命の感情がぶつかるシーンがあるのですが、由貴さんがすごいエネルギーを投げかけてくれたので、それに対して僕も「命だったらこういうふうに言わないかも」っていうくらい感情をむき出しにしました。由貴さんのはき出したものに対して、僕の内側をぶつけないと会話にならないと思ったし、改めて「お芝居は一人でやるんじゃないんだな」と感じられたシーンでした。

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