『嵐にしやがれ』総合演出に『イッテQ』古立善之が就任「新しい嵐を発見したい」

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――最初のロケの手応え、感想はいかがですか?

皆さん、気合を入れてやってもらえたという感じです。あとは、各ディレクターが撮って来たものを見て、彼らのどんな部分が見えてくるのか、とう段階です。『イッテQ』でも、ロケをやって追い詰めたときに分かることがありました。イモト(アヤコ)で言えば、とにかく全部ストイックにやる、こんなに頑張る子なんだ、というのは後で分かったこと。手越(祐也)くんだって、最初は普通にかっこいい子だったのに、やってみたら「バカだな~」というところがどんどん出てきて、しかも、彼もそこに乗っかってくる。出川(哲朗)さんも、最初にお会いした時とは違う、次のステージに上がられて。その変わっていく過程を、一緒に経験している感覚ですね。それぞれの方のキャリアは、僕はあまり気にしないです。お会いして一緒に仕事をさせていただいた時点から、その人の何を拾うかを考える。嵐のイメージをぶち破るのは簡単ではないと思っていますが、トライしたいと思っています。

――嵐のメンバーが最初に臨んだ今回のロケ企画。どんな理由で内容を決めましたか?

入り口は、ちょっと難しかったんですよね。彼らには今現在、すでに個性的なイメージがあるじゃないですか。大野くんだったら釣り好き、アーティスティック。翔くんは熱くて真面目な男。相葉ちゃんは天真爛漫。ニノだったらちょっと斜めに物事を見るニヒルな感じ。松潤だったら何でもストイックにキメる、とか。それはきっと、僕も含めて、視聴者の皆さんにも共通の認識になっていると思うんですね。まずはそこを糸口にすることもありますが、そこから、もう一段階違うステージに行きたい。「こういう側面あるんだ」「こういう顔するんだ」というものを引き出せれば、僕がこの番組をやる意味があるのかな、と捉えています。

――最初の企画では、例えばどんなことを試したのでしょうか。

例えば、松潤だったら、何でもストイックにパーフェクトにこなすかっこいい男というイメージを足がかりに、「This is MJ」という企画で、ひたすら“柵をかっこよく飛び越える”ことに挑戦してもらっています。でも、ただ柵を映画のワンシーンみたいに飛び越えてかっこよく撮っても、今までのイメージとさほど変わらないですよね。そこで、まずは千葉の田舎でいい柵を探しましょうと。「いい柵を見つけたら、直接そのお宅を訪ねて、飛んでいいか聞いてください」と彼にお願いしました(笑)。そこは、松潤の新しい一面が出る可能性がありますよね。皆さんが取っかかりやすいように彼らのイメージ通りのところから始めても、ちゃんとひねった内容を目指しています。皆さんが知らないイメージをどんどん引き出して、それが派生していって、番組自体もブレイクしていけばいいですね。一個でも見つけたら、そこをイジり倒したいなと思っているので(笑)、今からとても楽しみです。

――嵐5人全員でのスタジオトーク、ゲストの出演などはありますか?

スタジオに嵐が揃い、それぞれのVTRを見て、ロケのエピソードトークをしたり……というのが、最初の基本的な形です。ニノが花粉を集める企画をやっているので、スタジオで、砂絵ならぬ、花粉の絵を描いてみたり。また、「どうでもいいことを何でもスペシャルにしていこう」という番組の基本方針に沿って、「嵐カレンダー」というスタジオ企画もあります。例えば、番組が放送される何でもない土曜日なんですが、よくよく調べてみると、今日は「ガッツポーズの日」だ、ということで、前フリのVTRを見た後、全員で「今日ぐらいは全力でガッツポーズをしてみよう!」と実際にやってみるとか。ゲストも来ますが、一緒に嵐のロケVTRを見たり、スタジオ企画に参加したりといった感じで、これまでとは違い、嵐がゲストのキャラクターに合わせていくのではなく、ゲストにこっちに来てもらうようなスタイルです。

――スタジオセットなども一新される。

はい。秘密基地みたいなイメージです。後ろに飛行艇みたいなもの、ガレージみたいなのがあって、これから冒険が始まるというワクワク感を出しています。「かっこいいスタジオで、かっこいい嵐がいるのを皆さん見てください」ではなく、見に来てくれた人に「皆さんに、これから僕らが面白いことを見せます」というスタンス。それは、セットも、VTRも、ものすごく意識していることですね。ロゴも変わりますし、ポスターもスーツ姿ではなくなります。

――最初は一人一人がロケに行きますが、複数で行くこともありますか?

グループで行くことも、二人とかで行くこともあるでしょう。一応、今回の企画でスタートしますけど、企画を掛け持ちすることになったり、長い連載企画を長い時間をかけてやったり、そこは番組が走り出したら、いくらでも変えちゃおうと。ひとまず初回は、なるべく5人それぞれの企画を全部見せられればなと思っているのですが、VTRの出来高次第なので、まだ分からないです(笑)。楽しみにしていただけたらと嬉しいです。

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