
大好評のうちにシリーズ7が終了した人気刑事ドラマ「相棒」は、ミステリードラマとしてだけではなく、脇役にいたるまですべての登場人物にファンがつくほどの高いキャラクター性にも定評がある。その中でも、ユニークな風貌で個性的な人気を誇るのが今作の主人公、警視庁鑑識課員・米沢守(六角精児)だ。“特命係”の杉下右京(水谷豊)をサポートし、難事件の真相究明に一役かっている彼が、クローズアップされるのは、必然ともいえる流れだったのだ。
今回、劇中セリフで語られるだけだった米沢の“逃げた女房”エピソードにミステリー作家ハセベバクシンオーが着目し、スピンオフ小説「鑑識・米沢守の事件簿~幻の女房~」(宝島社文庫)が誕生したのがコトの始まり。発行部数20万部を突破する勢いと、内容の抜群の面白さから、即映画化が決定。まだ『相棒―劇場版―』(以降『劇場版』)の興奮も覚めやらぬ08年7月にクランクイン、09年3月公開と、とんとん拍子に事態が進行していった。
物語は、『劇場版』の大きな見どころの1つだった東京ビッグシティマラソンから始まる。米沢が参加者の中に見つけた逃げた女房・知子が死体で発見された。実は女性は同名の別人。死因に疑問を持った米沢は、彼女の元夫の所轄の刑事・相原とともに、真相を調べ始めるが、警察機構の大きな闇につきあたってしまったーー。