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包帯クラブ
STORY
包帯一本巻いて世界が変わったらめっけもんやん
	  


〈包帯クラブ〉とは、インターネットを通して「傷ついた出来事を投稿→傷ついた人の傷ついた場所に包帯を巻きに行く→手当てした風景をデジタルカメラで撮影、投稿者のアドレスに送る」という活動。〈包帯クラブ〉のメンバーは不自然な関西弁のディノ、しっかり者のワラ、恋に夢中のタンシオ、パソコンが得意なギモ、キレやすい危険少女・リスキ。彼らが住むのは関東近県の中都市。中心部に現代的な市庁舎がさんぜんと輝き建っているが、その周辺の古くからの建物はちょっと錆び付いていて、その街が歩んできた時間の長さを感じさせる。ワラは高校3年生。家族は母と弟。卒業したら就職しようと思っている。世間一般から見たら裕福な家庭環境ではないけれど、前を向いて生きていた。でも世間は、誤って切った手首の傷をリストカットだと決めつけるなど安易なイメージでしか自分を見ない。さらに、ささやかな自分の生活を守るために懸命に生きていると、実は誰かの大切なものを奪っていることがあるという現実に絶望すら感じはじめた。

ある日、ふと病院の屋上のフェンスの上に登り、街をのぞきみていたワラは、不思議な少年ディノに声をかけられた。ディノはワラの手首から解け落ちた包帯を手にとり、フェンスに結び付けた。「手当て、や」。ワラは、誰もわかってくれなかった自分の心の傷が見透かされ、優しく包まれた気がした。後日、ワラは親友タンシオの失恋話を聞いて、彼女の苦い思い出の場所に包帯を巻いてみた。「すっごくいい!」タンシオはメル友に包帯の効能を伝え、浪人生ギモがこの行為に興味をもった。発案者のディノも加わり、〈包帯クラブ〉がはじまった。 
ワラたちは、様々な依頼に応えてアイデアをめぐらして包帯を巻いていく。サッカーの試合でのオウンゴールをきっかけにイジメを受けている少年には[包帯で巻かれたゴールポストの写真]。美容院で髪型じゃなく顔を変えろと言われた女の子には[美容院前で包帯ぐるぐる巻きで号泣しているタンシオの写真]。[校庭の鉄棒]、[バス停]、[道端の花]等々、街のあちこちに真っ白な包帯が優しく風に舞っていった。
癒しを与える喜びに充実感を覚えるワラたちだったが、他人の傷を見るたびに自分の傷も疼く。ギモがずっと誰にも言えなかった小学生の頃の出来事。ディノが関わった1年前の事件。そしてワラは、中学時代親友だったが疎遠になってしまったテンポを思うと心が痛んだ。ワラは思いきってテンポもクラブに誘う。しかしテンポは冷たい。

そんな折、〈包帯クラブ〉の活動に暗い影が落ちる。クラブの行為は偽善だという告発がサイトに書き込まれたのだ。街でもこの行為が問題視され警察沙汰になり、サイトは閉鎖に追い込まれる。自分たちの行為は自己満足でしかなかったのか?〈包帯クラブ〉はこのまま終わってしまうのか、明るく振る舞いながら時々ふと暗い目をするディノの心の傷に包帯を巻くことができないままー!?
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許諾番号 9012164001Y45038