エヴァ庵野秀明も参加していた!『風の谷のナウシカ』
永遠に色褪せることのない日本映画史に燦然と輝く名作!!『風の谷のナウシカ』。
1984年、それまでのアニメーション映画の概念を大きく覆したのが『風の谷のナウシカ』だった。ギリシヤ神話に登場するスケリア島の王女ナウシカーと、日本の平安時代にまとめられた短篇物語集『堤中納言物語』の虫愛づる姫君にインスパイアされて誕生した宮崎駿監督の唯一無二の傑作は、民と自然を愛するひとりの少女ナウシカを通して、大地を汚染し続ける人間に対し警報を鳴らしたのだ。しかしその警告が発せられてから26年経った今、地球の状況は悪化し、温暖化問題はより深刻な問題となってわたしたちの前に立ちはだかっている。
おそらく『風の谷のナウシカ』は多くの人たちにとって、初めて目にする物語ではないだろう。一度ならず、二度、三度、いやそれ以上観ている方も大勢いると思う。だけどこんな時代だからこそ、今改めてナウシカの声に耳を傾けるべきなのではないだろうか。
自然を象徴する王蟲(オウム)、核兵器をイメージさせる巨神兵。そしてその巨神兵を使って自然を支配しようと企む人間の愚かさを浮き彫りにした衝撃作が、デビューから四半世紀経った今なお鮮明に輝き続けているのは、宮崎駿監督が生み出した壮大なプロットの力が大きいことは言うまでもないが、美しい自然、王蟲の動きなどを完璧にスクリーンに映し出したスタジオジブリの技術もおおいに影響している。
日本屈指のアニメーターたちが宮崎監督の世界を現実のものとするため、持てる限りの技術のすべてを出したわけだが、そのなかに若き日の庵野秀明氏(『エヴァンゲリオン』シリーズ)の姿があったことを知る人も多いだろう。
宮崎監督の大ファンだったという庵野氏はオーディションを経てスタッフの一員になったそうで、それまで誰も目にしたことのなかった巨神兵という新たな造形に命を宿らせた、後の映画史に残る名シーンを担当している。未完成の巨神兵がドロドロと溶けながら立ちあがろうとする迫力のシーンは、そういう意味でもぜひ注目してほしい。
また、よりコアな宮崎監督ファンの方々は、1984年の劇場公開時『風の谷のナウシカ』と同時上映された、『名探偵ホームズ』の第5話『青い紅玉』と、第9話『海底の財宝』をチェックするといいだろう。誰もが知る名探偵シャーロック・ホームズの物語を原作にしたアニメなのだが(主役のホームズが犬!)、作品の随所に“宮崎監督らしさ”がうかがえてかなり楽しめるはずだ。
観るたびごとに新たな発見、新たな思いが湧きあがる『風の谷のナウシカ』。今回はどんな新発見があなたの心を躍らせるのだろう。心の窓を開放して、じっくりと楽しんでほしい。
金曜ロードショー『風の谷のナウシカ』
2月19日(金)21:00~23:24(日本テレビ系)
最終更新 2010/02/17 19:40